新型光BBユニット「E-WMTA2.4」と従来モデルの違い【11ax("Wi-Fi 6")対応】

2020年より提供が開始された「光BBユニット2.4(E-WMTA2.4)」と、従来より提供されている光BBユニット(E-WMTA2.3以前)の相違点を見てみたいと思います。

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光BBユニット概略

「光BBユニット」はソフトバンクが提供するFTTHサービス向けのCPE(Customer Premises Equipment:顧客構内設備)で、ブロードバンドルーター・無線LANアクセスポイント・VoIPアダプタ等の機能を備えています。

他社CPEではNTT東西が提供する「ひかり電話ルーター/ホームゲートウェイ」の一部モデルがONU部分への光ファイバーケーブルの接続(PR-xxxシリーズ)やSFP形状の小型ONU挿入(RX-600/RT-500シリーズ)に対応していますが、光BBユニットはこれらよりも一般的な無線LANルーターに近く、ONU等と接続するWAN端子、PC等のLAN側機器と接続するLAN端子、音声通話サービス利用時に接続する電話機用端子といった構成の端子類が搭載されています。

仕様一覧

光BBユニット2.4
(E-WMTA2.4)
光BBユニット2.3
(E-WMTA2.3)
光BBユニット2.2
(E-WMTA2.2)
(参考A)
NEC-PF BL1000HW
(参考B)
SONY NSD-G1000T
5GHz帯 通信速度
(対応規格)
最大2.4Gbps
(IEEE 802.11ax
/ac/a/n)
最大1,300Mbps
(IEEE 802.11ac
/a/b/g/n)
非対応最大2,401.9Mbps
(IEEE 802.11ax
/ac/a/n)
最大4,800Mbps
(IEEE 802.11ax
/ac/a/n)
2.4GHz帯 通信速度
(対応規格)
非公開
(IEEE 802.11ax/b/g/n)
非公開最大300Mbps
(IEEE 802.11b/g/n)
最大1,147.1Mbps
(IEEE 802.11ax
/b/g/n)
最大1,150Mbps
(IEEE 802.11ax
/b/g/n)
ビームフォーミング対応
MU-MIMO対応対応
暗号化方式WPA3
WPA2-PSK
WPA-PSK(AES/TKIP)
WEP
WPA2-PSK(AES/TKIP)
WPA-PSK(TKIP)
WEP
WPA-PSK(AES/TKIP)
WEP
WPA2-PSK(AES/TKIP)
WPA-PSK(AES/TKIP)
WPA3-SAE
WPA2-PSK
WPA-PSK
WAN接続1000BASE-T×11000BASE-T×11000BASE-T×110G/5G/2.5GBASE-T×1光ファイバーケーブル
(GPON 最大2Gbps)
LAN端子1000BASE-T×41000BASE-T×41000BASE-T×410G/5G/2.5GBASE-T×1
1000BASE-T×3
2.5GBASE-T×1
1000BASE-T×3
電話機端子1基1基1基1基なし
USB端子2.0 Standard-A×22.0 Standard-A×22.0 Standard-A×13.0 Standard-A×22.0 Standard-A×1
筐体外寸W183×H252×D45mmW140×H195×D36mmW140×H195×D36mmW205×H219×D34mmW200×H200×D26mm
重量約720g約670g約670g約1.0Kg約790g

相違点の詳細

無線LAN

光BBユニット2.4(E-WMTA2.4)における最大の変更点が無線LAN部分です。

5GHz帯に初めて対応した光BBユニット2.3(E-WMTA2.3)はIEEE 802.11acによる最大1,300Mbps(3ストリーム/80MHz幅)までの対応に留まっていましたが、E-WMTA2.4では現在策定中・Draft段階のIEEE 802.11ax("Wi-Fi 6")がサポートされ、E-WMTA2.3を大きく上回る最大2.4Gbps(2ストリーム/160MHz幅?)の通信が可能になっています。

従来のIEEE 802.11ac/a/b/g/nもサポートされているため、現在利用している無線LAN機器はそのまま光BBユニット2.4と接続できるものの、IEEE 802.11axの性能を活かすためにはIEEE 802.11axに対応した無線LAN機器が必要となります。

ソフトバンクのスマートフォンでは「AQUOS R5G」(SHARP)・「V60 ThinQ 5G」(LG)・「Axon 10 Pro 5G」(ZTE)の3製品がIEEE 802.11axに対応する他、2019年発売の「iPhone 11」シリーズ・2020年発売の「iPhone SE(第2世代)」も発売当初からIEEE 802.11axに対応しています。

また、E-WMTA2.3以前のモデルではサポートされていなかったビームフォーミングおよびMU-MIMOにも対応しています。

暗号化方式

E-WMTA2.4では従来のWPA2/WPA/WEPに加え、新たな暗号化方式としてWPA3(WPA3-SAE/WPA3-Personal)がサポートされます。

こちらもIEEE 802.11axと同じく、利用するためには対応するクライアントが必要です。

有線部分

有線部分はWAN端子1基、LAN端子4基とも1000BASE-Tまでの対応で、E-WMTA2.3からの変更はありません。

ソフトバンクは2020年4月から上下最大概ね10Gbpsの「SoftBank 光 ファミリー・10ギガ」を提供していますが、こちらのサービスにはE-WMTA2.4を含む光BBユニットは含まれず、NTT東日本・NTT西日本が「フレッツ 光クロス」で用いているものと同じXG-100NE(NECプラットフォームズ製)が「ホームゲートウェイ(N)」として提供されます。

電波強度の確認

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E-WMTA2.4で新たに利用可能となった機能で、E-WMTA2.4の設定画面からクライアントの電波強度と利用中の周波数帯、プライベートIPアドレスを確認することができます。