Switch 2はWi-Fi 6対応、通信速度は最大1.08Gbps?FCC認証資料に含まれる無線部分の仕様

https://apps.fcc.gov/eas/GetApplicationAttachment.html?id=8006718

2025年1月26日現在、米FCC(連邦通信委員会)のウェブサイトにおいてNintendo Co., Ltd.から提出された「BKEBEE056」の認証資料が公開されています。この資料から読み取れる情報を整理してみたいと思います。

OET Exhibits List BKEBEE056(FCC)

Nintendo Co., Ltd. - BKEBEE056(device.report)

スポンサーリンク

型番

まず注目したいのは試験の対象となる機器や試験時の構成に関する情報が含まれているRadio Test Report("03 FCC Test Report DTS(1)"および"03 FCC Test Report NII(1)")です。当該資料のうちSection 4.2 "Configuration and Peripherals"にはEUT(Equipment Under Test:試験対象の装置)を含む試験時に用いられた設備として以下のものが記述されています。

No. (下図参照)型番機器の説明
ABEE-001Game Console
BBEE-012Joy-Con (L)
CBEE-014Joy-Con (R)
MBEE-005Dock
GNGN-01AC Adapter
-BEE-053Relay Box
DHAC-008Game Card
製造元がNintendo Co., Ltd.以外の機器は省略
https://apps.fcc.gov/eas/GetApplicationAttachment.html?id=8006718

EUTである"BEE-001"は未発表の型番ですが、同じく"BEE"から始まる左右のJoy-Conおよびドックと組み合わせて使用するゲーム機、かつNintendo SwitchのゲームカードであるHAC-008を用いた試験が行われたという点から、Nintendo Switchと互換性を持ち類似形状のアクセサリが用意されているNintendo Switch 2の型番である可能性が高いと思われます。

なお、FCC IDに含まれる「BEE-056」はSAR Test Report内で「Development tool」、Antenna Spec-AUT Report内で「Since the radio specifications of BEE-001 and BEE-056 are equivalent including the antenna…」とされていることから、BEE-001と同等の無線仕様を備える開発機と推測されます。

無線インターフェイスの仕様

同じ資料のSection 2.2 "Product Description"では、BEE-001の無線部分に関する主な仕様がBluetooth・2.4GHz帯無線LAN・5GHz帯無線LANの順で掲載されています。Section 4.1 "Operating Mode(s)"と合わせて、BEE-001が対応する無線LANの通信規格・アンテナ数・周波数幅が読み取れます。

BEE-001がサポートする通信規格は2.4GHz帯がIEEE 802.11b/g/n/ax、5GHz帯がIEEE 802.11a/n/ac/axです。「Wi-Fi 6」として知られるIEEE 802.11axに対応した点はNintendo SwitchのWi-Fi 5(IEEE 802.11ac)からのアップグレードと言えるものの、6GHz帯でIEEE 802.11axによる通信を行うWi-Fi 6Eや、より新しい規格であるIEEE 802.11be(Wi-Fi 7)には対応していません。

アンテナは3基実装されており、Antenna 0がBluetooth・2.4GHz帯無線LAN・5GHz帯無線LAN兼用、Antenna 1がBluetooth専用、Antenna 2が2.4GHz帯無線LAN・5GHz帯無線LAN兼用です。Nintendo SwitchにはBluetooth・2.4GHz帯無線LAN・5GHz帯無線LAN兼用アンテナが2基実装されていました。

5GHz帯無線LANの対応周波数帯はW52(U-NII-1)・W53(U-NII-2A)・W56(U-NII-2C)・W58(U-NII-3)で、それぞれの周波数帯において最大80MHz幅での通信を行えます。

Wi-Fi 6利用時の最大通信速度

試験対象の機器における最大通信速度はSection 4.1 "Operating Mode(s)"内の記述から推測が可能です。

BEE-001を用いて試験が行われた中で最も高速な通信速度を実現しうる組み合わせはIEEE 802.11ax / 帯域幅80MHz / 2ストリームMIMO / MCS Index 10(1024QAM・符号化レート3/4)であり、ここから得られる最大通信速度は1,080.9Mbps(ガードインターバル0.8μsの場合)です。

一般的なIEEE 802.11ax / 80MHz / 2ストリームの機器における最大通信速度はMCS Index 11(1024QAM・符号化レート5/6)時の1,201Mbpsですが、BEE-001は80MHz幅かつMCS Index 11の構成での試験を行っていません。