
本記事で紹介する商品はTRUEFREEからの提供を受けています。
TRUEFREEブランドで販売中のワイヤレスヘッドホン「HF-10」について、実際に使用した際の音質や専用アプリの挙動などを見ていきたいと思います。
製品情報
HF-10はTRUEFREEブランドから2025年9月に発売されたBluetooth 6.0対応のワイヤレスヘッドホンです。ドライバー口径は40mm、最大で-45dBのノイズ軽減を謳うアクティブノイズキャンセリング(ANC)および外音取り込みに対応し、ANCが有効な状態でも最大85時間(ANCオフの場合は最大125時間)の連続再生が可能とされています。対応するコーデックはSBC/AACで、Qualcomm aptXシリーズ(aptX/aptX Adaptive/aptX LL)やLDAC、LC3(Bluetooth LE Audio)には対応していません。そのほか主な仕様は下表の通りです。
TRUEFREE HF-10 | |
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通信規格 | Bluetooth 6.0 |
対応プロファイル | A2DP (Advanced Audio Distribution Profile) AVRCP (Audio/Video Remote Control Profile) HFP (Hands-Free Profile) |
対応コーデック | SBC (Low Complexity Subband Codec) AAC (Advanced Audio Codec) |
ドライバー仕様 | 口径40mm |
再生時間 | 最大85時間 (ANC有効時) 最大125時間 (ANC無効時) |
バッテリー容量 | 1,000mAh |
有線接続 | 3.5mm AUX接続 (ケーブル付属) |
重量 | 258g |
カラーバリエーション | ブラック |
TRUEFREE製品に対応するAndroid/iOS向けアプリ「TRUEFREE」はSOUNDPEATSの「PeatsAudio」と同じくShenzhen Ginto E-Commerce Co.,Limitedの名義で配信されており、詳細な関係は不明ですがSOUNDPEATSに近いブランドと言って差し支えないと思われます。
外観・デザイン


デザインはブラックを基調とした落ち着いたものとなっています。2025年9月時点で販売中のカラーリングはブラックのみで、他の色は用意されていません。Amazon.co.jpに掲載されている商品情報によると、イヤーパッド部分には"プロテインレザー"および"形状記憶フォーム"が使用されているとのことです。


音量調節ボタン・電源ボタン・3.5mmオーディオジャックは右側、ANC切替ボタン・USB Type-C端子は左側に配置されています。


ヘッドバンドやイヤーパッドのカラーリング、ヘッドバンドの構造や開口部の有無といったわずかな差異があるものの、全体のサイズやボタン・端子配置などはSOUNDPEATS Spaceと非常に似通っています。ハウジング部のデザインはロゴが印字されているのみで、SOUNDPEATS Spaceほど主張の強いものではありません。


技適マークおよび工事設計認証番号(214-240722)はヘッドバンド内側のほか、パッケージの裏面にも印字されていました。
使用感
音質
Samsung Galaxy S23 FEとAACで接続した状態で各種音源の再生を試みましたが、音質面での不満は特に感じられませんでした。イコライザをプリセットの「クラシック」に設定した状態では低音や高音が強調されている感もなく、総じてフラットな音が出力されていると思われます。低高音を強く感じたい場合はイコライザプリセットの「低音強調」・「高音強調」を選択、もしくは手動設定での調整が可能です。
Galaxy S23 FEとの接続時はデフォルトでAACが選択されたため、「Bluetooth Codec Changer」でコーデックをSBCに切り替えた状態での再生も確認しましたが、体感できるレベルの差は見られませんでした。
TRUEFREEアプリから「その他の機能」→「ムービーモード」を有効にすると、音の広がりや反響のような効果が追加されます。音の変化は実感できるものの、映画などのコンテンツ視聴に適しているかは判断が難しいところです。筆者個人の嗜好としてはオフのままでも問題ないのではと思えました。
ノイズキャンセリング
ノイズキャンセリング機能は右側下部のボタン押下、もしくはTRUEFREEアプリからの操作で有効にできます。アプリからの操作時は動作モードを「適応型ノイズキャンセリング」・「室内モード」・「屋外モード」・「交通機関モード」から選択することで、環境に応じてノイズの軽減効果を変更できるようです。
モードを「交通機関」に設定し列車内での動作を確認したところ、ノイズキャンセリングがオフの場合と比べて列車走行時の「ゴーッ」という音を大きく軽減できました。下や横を向いた際にノイズキャンセルの効果が変わる感覚はあったものの、機能そのものは問題なく使用できそうです。
「室内」に設定した状態での室内利用では空調音を完全に軽減できない場合があったため、確実なノイズキャンセル効果を得たい場合は室内であっても「交通機関」もしくは「適応型」での利用がベターと思われます。
アプリ

TRUEFREEアプリのインターフェースはほぼ完全に日本語化されており、日本語での利用に支障はありません。利用開始時にはメールアドレスおよびパスワードを入力してのアカウント作成が必須です。
アプリのトップ画面からはノイズキャンセリングのモード切替、ゲームモードのオン・オフ切替などへアクセスできます。ムービーモードの切替はトップ画面に配置されておらず、「その他の機能」から開く必要があります。
電源投入時や接続時などに流れる英語の音声ガイダンスは初期状態ではやや音量が大きめですが、「その他の機能」→「通知音の音量調整」から音量を下げる、もしくは0にすることができます。また、英語のほかに日本語・中国語(簡体字)・ドイツ語への変更にも対応しています。
画面右上の歯車アイコンからアクセスできる「設定」ではヘッドホン・イヤホンの初期化やファームウェアアップデートを行えるほか、「リラックスミュージックホール(ホワイトノイズライブラリ)」として川の流れや花火などの各種環境音がまとめられています。

イコライザのプリセットは9種類用意されており、10項目からなる手動調整に加えて実際に鳴る音を聞いて度合いを調節する「アダプティブ」も設定できます。
動作モードや設定の変更はすぐに反映されるものの、ムービーモードやゲームモードの効果を確認するためTRUEFREEアプリと他のアプリを頻繁に切り替えた際、TRUEFREEアプリに戻るとHF-10を正しく認識しない状態になることがありました。(タスク一覧からの終了とアプリ再起動での復帰を確認)
総評
この製品にしかない、と言い切れるほどの際立った特徴はありませんが、ANCと外音取り込みに対応する低価格帯のBluetoothヘッドホンとしては必要十分な性能を備えていると言えるのではないでしょうか。