
SOUNDPEATSのフラッグシップTWS「H3」を入手しました。音質やノイズキャンセリングの効果などを実際に使用した感想として紹介したいと思います。
H3の特徴
SOUNDPEATS H3は2025年に発売された左右分離型の完全ワイヤレス(TWS)イヤホンです。BluetoothチップセットとしてQualcomm QCC3091を搭載し、従来のHシリーズでは非対応だったLDACおよびaptX Losslessによるハイレゾ・ロスレス再生が可能な「Snapdragon Sound」対応デバイスです。
ドライバーも大口径化されたダイナミックドライバー(DD)と2基のバランスドアーマチュアドライバー(BA)を用いた計3基構成となり、より高品質な音を出力できるよう改良が施されています。
| SOUNDPEATS H3 | SOUNDPEATS H2 | SOUNDPEATS H1 | |
|---|---|---|---|
| チップセット | Qualcomm QCC3091 | Qualcomm QCC3040 | Qualcomm QCC3040 |
| 通信規格 | Bluetooth 5.4 | Bluetooth 5.2 | Bluetooth 5.2 |
| 対応プロファイル | A2DP (Advanced Audio Distribution Profile) AVRCP (Audio/Video Remote Control Profile) HFP (Hands-Free Profile) HSP (Headset Profile) | 同左 | 同左 |
| 対応コーデック | SBC AAC LDAC aptX Adaptive aptX Lossless | SBC AAC aptX Adaptive | SBC AAC aptX Adaptive |
| ドライバー仕様 | ダイナミックドライバー (⌀12mm)×1 バランスドアーマチュアドライバー×2 | ダイナミックドライバー (⌀8mm)×1 バランスドアーマチュアドライバー×1 | ダイナミックドライバー (⌀10.8mm)×1 バランスドアーマチュアドライバー×1 |
| 再生時間 | 最大7時間 (単体) 最大37時間 (ケース併用時) | 最大5時間 (単体) 最大20時間 (ケース併用時) | 最大10時間 (単体) 最大40時間 (ケース併用時) |
| 操作方法 | タッチセンサー | タッチセンサー | タッチセンサー |
| バッテリー容量 (本体) | 35mAh | 32mAh | 30mAh |
| バッテリー容量 (ケース) | 400mAh | 300mAh | 500mAh |
| 重量 | 約6g (本体片側) 約53g (ケース+本体両側) | 約5g (本体片側) 約47.34g (ケース+本体両側) | 約4.75g (本体片側) 約46.73g (ケース+本体両側) |
外観・デザイン


SOUNDPEATSのTWS製品としては珍しくハウジングが透明になっており、装着時に外側となる装飾パネルで覆われた部分を除き内部のパーツが透けて見えるスタイルです。装飾パネルは「S」をモチーフとしたデザインになっています。


アルミ合金製のノズルはアルマイト処理済みで、さらに滑り止めとデザイン上のアクセントを兼ねたローレット加工が施されています。


イヤホン本体と同じくケースも蓋部分が半透明であり内部に収納したイヤホンがやや透けて見えるほか、イヤホン収納部の前面に施されたレザー調の加工と金縁のプレートが高級感を醸し出しています。


ケースの下半分はマットブラックで、背面にはペアリングや初期化に使用するマルチボタン、底面には充電用のUSB Type-C端子が設けられており、どちらもアクセスに支障はありません。なお、底面はやや丸みを帯びているため、ケースの自立はできない形状です。
イヤーピースは本体に装着済みのものと合わせて5サイズが付属しており、耳の形状に合わせて最適なものを選ぶことができます。イヤーピースのほかにはドキュメント類とステッカー、充電用のUSB Standard-A to Type-Cケーブルが付属しています。
使用感
音質

H3と同じくSnapdragon Sound対応デバイスのSONY Xperia 5 IV(Android 14)と接続し、音質設定を「ロスレス」にセットしたSpotifyの音源、および手元のCDからエンコードしたFLAC音源を再生して音質を確かめました。コーデックはaptX AdaptiveもしくはLDAC、PeatsAudioから選択できるイコライザは「SOUNDPEATSクラシック」、H3のファームウェアは記事執筆時点の最新版であるv0.4.9を使用しています。
低音は他の音より際立って強調されている感はないものの、力強く響くような印象です。中音域や高音についてもキンキン・シャリシャリとした耳障りな感覚はなく、ボーカルや楽器を広がりのあるクリアな音で快適に聴取することができました。筆者の主観としては特定の音域の弱さや偏りは感じられません。
レビューによってはイコライザの調節が重要との指摘もありましたが、「SOUNDPEATSクラシック」の状態でも十分な品質が確保されていると感じられました。より好みの音へ合わせていく過程では他のプリセットへの変更もしくはイコライザの手動調節が重要になりそうです。
ノイズキャンセリング
H3に搭載されたアクティブノイズキャンセリング(ANC)機能は最大55dB・4000Hzまでの音に対する軽減性能を備え、「SOUNDPEATS史上最高」と謳われています。
実際に走行中の列車内で装着しANC機能を有効にしたところ、動作モードを「適応型ノイズキャンセリング」もしくは「屋外交通」に設定した状態であれば走行音や空調音をほぼ感じない状態まで軽減することができました。また、室内でも空調機器(エアコンやファンヒーター)の動作音を強く軽減可能でした。
人の話し声や突発的な音の軽減度合いは低音域のものほど高くない(ある程度の音量で音楽を再生していれば気にならない程度)ため完全な無音状態に持っていくことはできないものの、公共交通機関など周囲の音が気になる空間でのリスニング体験を向上させるには十分な性能を備えているといえるでしょう。
装着感・操作性
計3基のドライバーを内蔵しているためかH3の本体サイズはやや大きめで、耳に収めようとした際に引っ掛かりを感じることがありました。個人差が非常に大きい点ではあるものの、耳のサイズによっては装着がやや難しいことが想定されます。
ただし収めた後の装着感は安定しており、装着状態でウォーキング程度の動作が発生してもずれたり脱落するようなことは起きませんでした。また、
左右に内蔵されたタッチセンサーによる操作性は良好で、感度の悪さを感じることはありません。
アプリ

従来のSOUNDPEATS製品と同じくAndroid/iOS向けアプリ「PeatsAudio」に対応しており、アプリからH3の設定変更やイコライザのカスタマイズが行えます。複数台の機器との接続を可能にするマルチポイント機能はLDACと排他であり、PeatsAudio上で切替可能です。
イコライザのプリセットはSOUNDPEATSクラシックなど12種から選択でき、実際に音を再生してイコライザの度合いを調節する適応型EQや手動調節にも対応しています。
総評

ドライバー数に起因すると思われる本体サイズがやや気になるものの、音質やノイズキャンセリング性能などを含めた全体的な評価としては実売1万円台のTWSイヤホンながら非常に高い水準の仕上がりであると感じられました。

