BIGBIG WONのゲームパッド「RAINBOW 2 Pro」を入手しました。デザイン・操作性や各種機能を見ていきたいと思います。
RAINBOW 2 Proの概要
RAINBOW 2 ProはXboxレイアウトのゲームパッドです。有線(USB)接続・Bluetooth接続のほかに専用ドングル経由の2.4GHz帯無線接続をサポートし、Windows/iOS/Android/Switchでの利用がサポートされています。(Xbox/PlayStationはサポート対象に含まれていないため注意が必要です)
スティックはALPS製、アナログトリガーはトリガーストップ対応のホールセンサーを採用。ポーリングレートはUSB接続時に最大1,000Hz、2.4GHz帯無線接続時に最大200Hzを謳っています。
本体に内蔵されたLEDライトは発光カラーおよびパターンを自由に設定でき、スティック・トリガー・ボタンの挙動もAndroid/iOS向けアプリから自由に変更可能です。
外観
電源を入れていない状態でのRAINBOW 2 Proの外観は黒を基調とし、表面はNintendo Switch Proコントローラーのような半透明の加工が施されています。基本的にはXbox準拠のレイアウトであり物理的なボタンの入れ替えには対応していないものの、Switch準拠のABXY・+-ボタン表記もデザインの一部としてあしらわれています。
本体下部には3.5mmステレオミニジャックがあり、専用ドングル経由の無線接続中に限りヘッドセットやイヤホン等を接続して音声入出力を行えます。Bluetooth接続時はゲームパッドとしてのみ動作し、音声のやり取りは行えません。
裏面にはマクロボタン(M1/M2)、トリガーストップを切り替える物理スイッチ、ドック接続用のポゴピンが存在します。
接続
RAINBOW 2 Proは接続方式としてUSB Type-C端子経由の有線接続、専用ドングル経由の2.4GHz帯無線接続、Bluetooth接続の3種類をサポートしています。
ドングル経由の場合はPCのUSB端子にドングルを接続し、RAINBOW 2 Proの上部にあるBIGBIG WONロゴボタンを長押しして電源を入れると自動的にXInput準拠のゲームパッドとして認識されます。
充電
今回テストしたものはAmazon.co.jpにて"Rainbow 2 Pro with Charging Dock"の名称で販売されているSKUのため、ポゴピンで接続し充電を行える専用ドックが付属します(RAINBOW 2 Pro単体の場合はUSBケーブルでPCや電源アダプタに接続して充電することになります)。ドックに置くだけで充電できるため、無線運用が主体の場合にはドック付きの方が便利と思われます。
ドックとRAINBOW 2 Pro本体は磁力で固定され、ドックから本体を上に持ち上げるだけで簡単に取り外せます。
なお、ドックも下部にライトを備えていますが、USB通電中かつRAINBOW 2 Proを設置した状態でレインボーに発光するのみで、RAINBOW 2 Pro本体のライトと異なり発光パターン・カラーの制御には非対応です。
操作感
スティック
ゲームパッドに実装されたボタン・トリガー・スティックの挙動をブラウザ上でテストできる「Gamepad Tester」でアナログスティックのCircularityを確認したところ、左右とも平均エラー率は4%前後でした。後述のアプリ上でスティックのデッドゾーンを0にした状態(初期値は12)でテストを行いましたが、スティックを触れずに他のボタンを操作、もしくは放置した状態のどちらでもドリフト挙動は見られません。
スティックは高さの異なる3種類(うち1種は装着済み)が付属し、プレイするゲームやプレイヤーの好みに応じて交換可能です。
ボタン
個体差かは不明ですがABXYボタンはやや硬めで、SONY DualSenseや直近で紹介したGameSir G7 SEに比べると押し込んだ際に「カタッ」とした感触を覚えました。
マイクロスイッチの採用を謳う十字ボタン(D-Pad)はカチカチとした感触です。D-Pad上下の溝に爪などを掛けて上に引っ張ることで取り外せる構造で、Xbox ワイヤレス コントローラーライクな斜め方向の入力がしやすい8-Way Capに換装できます。
裏面のマクロボタン(M1/M2)は保持した状態で簡単に操作できるものの、マウスボタンのような「カチッ」というクリック音が大きめです。上部マクロボタン(M3/M4)のクリック音はさほど大きくありませんが、こちらはレイアウトの都合上、持ち方によって指が届きにくい、もしくはトリガーと干渉してしまう場合がありそうです。
トリガー
ホールセンサーを用いたアナログトリガーは左右とも一般的なトリガー相当の操作感と思われます。スイッチでトリガーストップを掛けると1/3程度よりも奥へ押し込めない状態となります。
ゲームプレイ
PCとドングル経由の2.4GHz帯接続を行った状態で『DEATH STRANDING DIRECTOR'S CUT』をプレイしてみました。本体の大きさとグリップ部の滑り止めによる保持感は良好で、無線接続でも入力が途切れることはありませんでした。
設定
公式アプリとしてAndroid向けの「BIGBIG WON ELITE」、iOS向けの「BIGBIG WON TOOLS」が提供されており、スマートフォンやタブレットからパッドの設定を変更できます。今回はAndroid版を用いてテストを行いました。
なお、PCから設定を変更できる手段は2023年9月現在用意されていません。
BIGBIG WON ELITE - Google Play のアプリ
BIGBIG WON TOOLS on the App Store
ライティング
「ライティング」タブには6つの発光プリセットが用意されており、下部にある「+」からは発光パターンを詳細に制御できます。指定した色で光り続ける「ノーマル」、呼吸のように明滅する「ブリージング」、指定した色が移り変わる「カラフル」、点滅する「フラッシュ」の4パターンが用意されており、本体左右の色を個別に設定可能です。
プロファイル
「プロファイル」タブではスティック・トリガー・ジャイロ(モーション)センサー・ボタン割り当ての設定をまとめたプロファイルの作成・適用を行えます。
ボタン
「ボタン」タブでは各ボタンの割り当て、および連射機能のオン・オフ切り替えを行えます。ゲームパッド上に存在するボタンをマクロボタンや他のボタンに割り当てられるのは一般的ですが、キーボードの一部を除くキー(1~4・A~Z・Ctrl/Shift/Alt/Win/Space/PrintScreen)を外部ユーティリティなしに直接割り当てられる点は特筆すべきでしょう。
総評
個人的感覚としてはM1/M2ボタンやD-Padのクリック音に引っ掛かる点があるものの、各プラットフォームの一般的なコントローラーよりも高いカスタマイズ性、専用ドングル+ドックによる安定した接続と簡単な充電の両立は期待される水準を十分に満たしているのではないかと感じられました。