Archer BE550 ProとBE550の違いについて

TP-Linkから発売されている無線LANルーター「Archer BE550 Pro」と「Archer BE550」の違いをまとめています。

スポンサーリンク

BE550 ProとBE550の違い

Archer BE550 ProとArcher BE550の主な違いは無線・有線双方の通信速度にあり、端的に言えばArcher BE550 Proの方が高速な通信を行えるモデルとなっています。それぞれの違いを次項より解説します。

無線部分の速度

両モデルの無線部分の仕様は下表の通りです。

Archer BE550 ProArcher BE550
6GHz帯の通信速度最大5,764Mbps
Wi-Fi 7 (IEEE 802.11be)
2ストリーム/320MHz
最大5,760Mbps
Wi-Fi 7 (IEEE 802.11be)
2ストリーム/320MHz
5GHz帯の通信速度最大2,882Mbps
Wi-Fi 7 (IEEE 802.11be)
2ストリーム/160MHz
最大2,880Mbps
Wi-Fi 7 (IEEE 802.11be)
2ストリーム/160MHz
2.4GHz帯の通信速度最大1,032Mbps
Wi-Fi 7 (IEEE 802.11be)
3ストリーム/40MHz
最大574Mbps
Wi-Fi 6 (IEEE 802.11ax)
2ストリーム/40MHz

Archer BE550 Proは2.4GHz帯で通信を行う際にWi-Fi 7を利用でき、かつ空間ストリーム数が2から3に増加したことでArcher BE550よりも2.4GHz帯の通信速度が向上しています。ただし3ストリーム以上の通信に対応したWi-Fi 7子機は(3ストリーム以上のルーターを子機として使用する場合を除き)基本的に存在せず、2ストリーム以下の子機でも通信速度を必要とする場合は6GHz帯もしくは5GHz帯を使用するケースが多いため、この違いが実用面で大きく影響することはほぼないと考えられます。

有線部分の速度

両モデルの有線部分の仕様は下表の通りです。

Archer BE550 ProArcher BE550
WAN端子-2.5GBASE-T×1
WAN/LAN兼用端子10GBASE-T×1
2.5GBASE-T×1
-
LAN端子2.5GBASE-T×32.5GBASE-T×4
左:Archer BE550
右:Archer BE550 Pro
青いWAN端子が2.5Gbpsから10Gbpsに変更されている。

Archer BE550 ProとArcher BE550の最大の違いと言えるのが10GBASE-T対応端子の存在です。Archer BE550に備わっていた2.5GBASE-T対応端子のうち1基が10GBASE-T対応端子に置き換えられたことで、「フレッツ 光クロス」など最大10Gbpsクラスのインターネット接続サービスと組み合わせて利用する際のボトルネックが解消されました。また、10GBASE-T対応端子はWAN/LAN兼用のため、インターネットには2.5GBASE-T対応端子で接続し、10GBASE-T対応端子にはNASやスイッチを接続する運用も可能です。

内部ハードウェアの違い

以下の情報はArcher BE550 Pro v2およびArcher BE550 v2のものであり、バージョンによっては異なるハードウェアが搭載されている場合があります。参考としてご覧下さい。

米FCCの認証を通過した際の資料から確認できる、Archer BE550 Pro v2とArcher BE550 v2のハードウェア構成は下表の通りです。

Archer BE550 Pro v2Archer BE550 v2
プロセッサBroadcom BCM6765
CPU : 4コア 2.0GHz
Qualcomm IPQ5322
CPU : 4コア 1.5GHz
RAMDDR4 1GB
Micron MT40A512M16TB-062E:R
DDR4 1GB
Samsung K4A8G165WC-BCTD
無線I/F (6GHz)Broadcom BCM6765Qualcomm QCN6274
無線I/F (5GHz)Broadcom BCM6765Qualcomm QCN6274
無線I/F (2.4GHz)Broadcom BCM6711Qualcomm IPQ5322
スイッチRealtek RTL8372Realtek RTL8372
Ethernet PHY-Realtek RTL8221B
出典FCCFCC

Archer BE550 Pro v2ではプロセッサおよびチップセットがQualcommからBroadcomのものに変更されています。3ストリーム構成のWi-Fi 7対応チップセットであるBCM6711が2.4GHz帯用に搭載されていることが見て取れます。

4基分の2.5GBASE-T PHYを含むスイッチチップはRealtek RTL8372が両モデル共通で搭載されているようです。