BIGBIG WONのゲームパッド「GALE」を入手しました。デザイン・操作性や各種機能、既存モデルとの違いを見ていきたいと思います。
GALEの概要
BIGBIG WON GALEはXboxレイアウトの有線/無線接続兼用ゲームパッドです。USB/Bluetoothのほかに専用ドングル経由の2.4GHz帯無線通信に対応し、Windows・Android・iOS・Nintendo Switchでの利用がサポートされています。
本体のカラーリングに合わせた専用スタンドが付属(スタンドなしの単体モデルも存在)し、スタンドに置くだけでGALE本体を充電できるほか、ドングルをスタンド背面に格納できるデザインとなっています。
上位モデルのRAINBOW 2 Proに比べると物理的なトリガーストップ機構やオーディオ出力が省かれているものの、カスタムボタンや有線接続時のポーリングレートは同等となっています。
GALE | RAINBOW 2 Pro | CHOCO | |
---|---|---|---|
インターフェイス | 有線(USB Type-C) 無線(Bluetooth) 無線(専用ドングル) | 有線(USB Type-C) 無線(Bluetooth) 無線(専用ドングル) | 有線(USB Type-C) 無線(Bluetooth) |
対応プラットフォーム | Windows 10/11 Android iOS Nintendo Switch | Windows 10/11 Android iOS Nintendo Switch | Windows 10/11 Android iOS Nintendo Switch |
ボタン配列 | Xbox準拠 | Xbox準拠 | Switch準拠 |
カスタムボタン | 4基(背部4) | 4基(背部2+上部2) | 2基(背部2) |
トリガーストップ機構 | - | ◯ | - |
オーディオ出力 | - | ◯ | - |
NFC | - | - | ◯ |
ポーリングレート | 1,000Hz(有線) 125Hz(専用ドングル) | 1,000Hz(有線) 200Hz(専用ドングル) 125Hz(Bluetooth) | 非公開 |
バッテリー容量 | 1,000mAh | 1,000mAh | 850mAh |
カラーバリエーション | ブラック/ホワイト | クリアブラック | ブルー/グリーン /ピンク/ホワイト |
外観・付属品
GALEの筐体はブラック(またはホワイト)を基調とし、オレンジのスティック保護リングがデザイン上のアクセントです。ボタンにもXbox準拠のカラーリングはなく、周囲にはSwitch準拠の配置が目立たないように表記されています。
左右ボタン・トリガーにはそれぞれ滑り止めのドット状パターンが設けられ、ボタンとトリガーの間が窪んだ形状となっています。窪みの部分に指を置くことで、1本の指でボタンとトリガーの両方を操作することも(慣れは必要なものの)可能です。
付属品は専用スタンド(スタンド付属モデルのみ)・専用ドングル・USB Standard-A to Type-Cケーブル・マニュアルです。また、輸送中の損傷を防ぐためかアナログスティック部分にはリング状の、箱の内側(一部)にはシート状の緩衝材が取り付けられていました。
操作感
ボタン
ABXYボタンはRAINBOW 2 Pro同様のメンブレンスイッチと見られ、操作に支障はないもののRAINBOW 2 Proのものよりもやや硬め、かつ操作音が大きめです。
カスタムボタンは4基すべてが背面に設けられ、1本の指で2基のボタンを操作可能になりました。握り方によって好みは分かれると思われますが、個人的にはこちらの方が操作しやすいと感じます。
十字ボタン(D-Pad)はクリッキーな感触のものではなくなり、そのためかは定かでないものの斜め方向への入力もさほど支障を感じません。
スティック
「Gamepad Tester」で確認した左右スティックのCircularity平均エラー率は2.7~2.8%でした。
ポーリングレート
GALEは有線接続時で上位モデルのRAINBOW 2 Proと同等の1,000Hz、無線(専用ドングル経由)接続時で125Hzのポーリングレートを確保し、"競技レベル"の低遅延操作が可能であると謳われています。
「Xbox 360 Controller (XInput) Polling Rate Checker」の4,000 Samples版で実際の動作をテストしたところ、どちらの環境でも公称値通りのポーリングレートで動作していることが確認できました。
音量調節
FNボタン(D-Padと右スティックの間にある楕円形の小さなボタン)とD-Pad上または下を同時に押すと、接続している機器の音量を変更できます。
カスタマイズ
GALEの発売と同時に「BIGBIG WON Assistant」がリリースされたことで、従来のBIGBIG WON製品では行えなかったPCからの設定変更が可能になりました。同ソフトウェアのダウンロードは公式サイトから可能です。
ただしAndroid/iOS向けアプリ「BIGBIG WON ELITE」との組み合わせはサポートされていないため、パッド単体でFNボタンを用いて行える簡易なもの(振動のオン/オフ、連射機能のオン/オフ、背面ボタンの割り当てなど)を除き、設定変更にはPCが必須です。
BIGBIG WON Assistantにはコントローラーのファームウェアを更新する機能が備わっているものの、手元の環境では有線接続であってもファームウェア更新に失敗する状態だったため、出荷時点のファームウェア V2009で動作確認を行っています。
ジャイロ機能
GALEに内蔵されたジャイロセンサーはBIGBIG WON Assistantからの設定変更により、SwitchのみならずPCでもジャイロセンサーでスティック相当の操作を行うことが可能です。
「ゲイル」→「構成」→「カスタマイズ」→「体性感覚」を下にスクロールすると表示される「物理シミュレーション」から「左スティック」または「右ジョイスティック」をオンにすることでGALEの傾きが左右どちらかのスティック入力として認識されるようになります。(ジャイロが有効な状態ではGALE本体のBIGBIG WONロゴボタンが紫色に発光します)
また、「対応方法」で「右ジョイスティック」を選択し下の一覧からボタンを選ぶと、ボタンを押している状態でのみGALEの傾きが右スティックの入力として扱われます。これにより通常はジャイロ操作を行わず、特定の状況でのみ背面ボタンを押してジャイロ操作を有効にするといった運用が可能です。
エイミングを必要とするタイトルを直近でプレイしていなかったため『Aimlabs』でジャイロ操作によるエイムをしばらく試してみましたが、この方法でのエイムには相当の習熟を要しそうです。
ボタン割り当て
RAINBOW 2 Pro + BIGBIG WON ELITEの環境では一部のみ割り当て可能だったキー入力ですが、GALE + BIGBIG WON Assistantではキーボード上に存在するほぼすべてのキーを割り当てられるようになりました。
トリガー
前述の通りGALEには物理的なトリガーストップ機構が存在しないものの、「ゲイル」→「構成」→「カスタマイズ」→「トリガー」に存在する「クイックトリガー」で代用が可能です。オンにすると押し込みの強さに関わらず一定値が入力されるデジタルトリガー相当の挙動になります。
クイックトリガーがオフの状態で使用する場合、左右トリガーごとにデッドゾーンを調節することで一定の度合いまでは押し込んでも反応しない、もしくは最大値を入力するのに必要な押し込み度合いを浅くするよう設定できます。
スタンド
GALEには専用の充電スタンドが用意されており、Amazon.co.jpでは単体版+2,000円の差額でスタンド付きのモデルが購入可能です。
RAINBOW 2 Proのスタンドのような磁石による固定は行われないものの、ややズレた状態で置いてもGALE側が滑ることによりGALE背面とスタンドのポゴピンが接触するような形状で、置いたのに充電されないようなケースには遭遇しにくいと思われます。
また、PCや電源に接続するUSB Type-C端子とは別のUSB Standard-A端子がスタンド背面に存在し、ここに専用ドングルを格納できるようになっています。
総評
専用スタンドやジャイロによるスティック操作といった点を踏まえ、PCメインで使用する有線・無線兼用のゲームパッドとしては価格に見合った性能を備えていると感じられました。
ただし2023年11月現在はPCからファームウェアの更新が正常に行えない、日本語表示時のインターフェイスに難があるといったソフトウェア面での難点が見られるため、今後の改善を強く望む所です。