【レビュー】GL.iNet VPN対応ルーター 「GL-MV1000(Brume)」

「GL.iNet」のVPN対応ルーター「GL-MV1000(Brume)」を入手したので仕様や機能を見てみたいと思います。

(本商品はGL.iNet(GL Technologies / Shenzhen Guanglianzhitong Tech Co., Ltd.)より提供を受けています)

GL-MV1000 / Brume - GL.iNet

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基本仕様

  • 対応通信方式(5GHz帯):非対応
  • 対応通信方式(2.4GHz帯):非対応
  • 最大通信速度(5GHz帯):-
  • 最大通信速度(2.4GHz帯):-
  • CPU:Marvell Armada 3700 88F3720(Arm Cortex-A53 デュアルコア 1.0GHz)
  • RAM:DDR4 1GB
  • ストレージ:16MB フラッシュメモリ + 8GB eMMC
  • WAN端子:1基(1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T)
  • LAN端子:2基(1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T)
  • USB端子:2基(2.0 Standard-A x 1基、3.0? Type-C x 1基)
  • ボタン類:リセットボタン、トグルスイッチ(設定より挙動の変更可能)、microSD/TFカードスロット
  • サイズ:縦88 x 横68 x 高さ24mm
  • 重量:105g

これまでに取り上げたGL-MT300N-V2GL-AR750S-Extと異なり、GL-MV1000は無線LANに対応しない有線接続のみ対応のルーターとなっています。
(公式サイトやパッケージには『Edge Computing Gateway』の表記が見られます)

CPUにSynology製エントリークラスNAS「DS119j」と共通のMarvell 88F3720を採用、メモリはGL-AR750シリーズのDDR2 128MBに対してDDR4 1GBを搭載するなど、性能は大幅に引き上げられています。

上:GL-AR750S-Ext、下:GL-MV1000

筐体形状についてはGL-AR750シリーズと似通っていますが、給電用端子がUSB 2.0 Micro-BからUSB Type-Cに変更されました。

外観・同梱品

外箱はGL-AR750S-Extとほぼ同じサイズです。

LANケーブルとUSB Standard-A to Type-Cケーブル、5V/2A出力の電源アダプタが同梱されています。
(今回は別途用意した同等出力の電源アダプタを使用しています)

筐体のデザインもGL-AR750/GL-AR750S-Extとほぼ共通です。
前述の通り給電用端子がUSB Type-Cに変更された他、前面のLEDが「2G」「5G」ではなく「WAN」「VPN」となっています。
LuCIの「LED Configuration」から確認すると、どちらもインターフェイス(wan/tun0)がアクティブになった際に点灯、パケット送受信時に点滅と設定されているようです。

セットアップ

First-time Setup - GL.iNet Docs

WAN端子に既存のモデムやルーター、LAN端子にPC、USB Type-C端子に電源アダプタを接続することで電源が入り、PCのブラウザから「http://192.168.8.1」にアクセスすると初期設定画面が開きます。

初期設定はこれまでのGL.iNet製ルーターと変わらず、言語を選択し管理用パスワードを設定するのみとなっています。

ドキュメントにはUSB Type-C端子とPCのUSB端子を接続しドライバを導入することでネットワークアダプタとして認識される旨の記載があり、実際に認識されることを確認しましたが、動作が不安定なため今回はLAN端子に接続したPCからセットアップを行いました。

Connect your computer to the power port of the router via USB Type-C cable. Keeps your computer connect to the internet and waits for several minutes, it will install the driver automatically.

https://docs.gl-inet.com/en/3/setup/brume/first-time_setup/

OpenVPNクライアント

今回は「ProtonVPN」のOpenVPNサービスを試してみました。

ProtonVPNのサイトから「Router」用のコンフィグファイルをダウンロードし、GL-MV1000の設定画面→「VPN」→「OpenVPNクライアント」へアップロードした上でユーザー名・パスワード(ProtonVPNの場合は『Account』→『OpenVPN / IKEv2 username』から確認可能)を設定するとOpenVPNサーバーへの接続が可能になります。

OpenVPN接続時の速度計測結果
(左:GL-MV1000、右:GL-AR750S-Ext)

Speedtest.net(Tokyo/OPEN Project)で計測を行った際の結果は上のようになりました。

GL.iNetのサイトではGL-AR750S-ExtのOpenVPNスループット(クライアント時)が最大17Mbpsに対しGL-MV1000は最大97Mbpsまで向上しているとされており、その差が結果に現れたと思われます。

所感

Ubuntuも導入可能とされている程にはスペックが向上しており、(従来のモデル以上に)ルーターには留まらない用途での活用が望めるかと思います。