SOUNDPEATSのワイヤレスイヤホン「Air4 Pro」を入手しました。従来モデルとの違いやノイズキャンセリング性能などを見ていきたいと思います。
Air4 Proの概要
SOUNDPEATS Air4 ProはBluetooth 5.3対応の完全ワイヤレス(TWS)イヤホンです。チップセットとしてQualcomm QCC3071を搭載し、音声コーデックとしてaptX Adaptive/aptX Lossless/aptX Classic(旧aptX)/AAC/SBCをサポートしています。
Qualcommの「Snapdragon Sound」プラットフォームに準拠した製品であり、同じくSnapdragon Sound準拠のスマートフォン・タブレットやトランスミッターと組み合わせた際はaptX Adaptiveによる最大96kHz/24bitのハイレゾ音源伝送、もしくはaptX Losslessによる44.1kHz/16bitのロスレス音源伝送を行えます。
防滴性能はIPX4等級で、水没や流水には耐えられないものの水飛沫や汗への耐性を備えています。
Air4とAir4 Proの違い
Air4 Proと従来モデル「Air4」の最大の違いは装着形状の変更です。インナーイヤー型だったAir4に対し、Air4 Proはデザインを保ちつつカナル型に変更されました。これによって旧Air4と異なる装着感になるものの、遮音性やノイズキャンセリングの効力上昇が見込まれます。
Air4 Pro | Air4 | Air4 Lite | |
---|---|---|---|
形状 | カナル型 | インナーイヤー型 | インナーイヤー型 |
対応コーデック | aptX Adaptive aptX Lossless aptX AAC SBC | aptX Adaptive aptX Lossless aptX AAC SBC | LDAC AAC SBC |
ANC | 対応 | 対応 | 非対応 |
外観
カナル型への移行に伴いイヤーピース周りの形状が変わったものの、基本的なデザインはAir4のものを踏襲しています。今回使用したカラーバリエーションはブラックで、ハウジング外側のタッチセンサー部にゴールドのアクセントがあります。
ケースはAir4のものよりも高さを抑えた形状になり、ペアリングおよびリセットに用いるボタンがケース正面から底面に移設されました。USB Type-C端子からの給電を行う点は変わりません。
イヤホン本体とケースを除いた付属品はUSB Standard-A to Type-Cケーブル、交換用イヤーピース2種、ドキュメント類です。
コーデック
Snapdragon Sound対応のSONY Xperia 5 IVに接続した状態では「デバイスの詳細」にaptX Adaptiveの項目が表示され、「ワイヤレス再生品質」より96kHzへの切り替えを行えました。
Snapdragon Soundに対応していないGoogle Pixel 6では通常のaptX(aptX Classic)デバイスとして認識され、「空間オーディオ」のトグルスイッチも表示されました。公称通りaptX HDやLDACには対応しておらず、開発者向けオプションのコーデック選択画面でグレーアウトしていることが確認できます。
使用感
今回はSpotifyの"最高音質"設定(320Kbps相当)および「Pulsar 音楽プレーヤー」経由のMP3 CBR 320Kbps音源で再生を確認しましたが、音質や音飛び等に問題を感じることはありませんでした。
本体形状がカナル型に変更されたことにより、Air4 ProはAir4に比べて遮音性や低音域の表現力が向上しています。ANC機能("アダプティブアクティブノイズキャンセリング")の効果もAir4比でアップし、電車内の「ゴーッ」とした音など連続するノイズはほぼ打ち消せるようになりました。ただし、Air4 Proにおいて追加された風切音軽減機能の効果はあまり強く感じられるものではありませんでした。また、アプリからANCのオン・オフを切り替えると稀にANCが正常に機能しない(ノイズが軽減されない)場合が確認できたものの、ファームウェアもしくは個体に依存する問題かは不明です。
また、Air4 Proで新たに追加された装着検出機能が有効の状態で片方のイヤホンを耳から外すと端末側でのメディア再生が自動的に一時停止されるため、イヤホンもしくは端末で一時停止の操作を行う必要がないのもメリットと言えます。
長時間装着した際の耳への負荷を重視する場合はインナーイヤー型のAir4(aptX Adaptive/Lossless対応)もしくはAir4 Lite(LDAC対応)の方が適していると思われます。
総評
Snapdragon Sound準拠(aptX Adaptive/aptX Lossless両対応)でANC機能を備えるTWSイヤホンとしては比較的安価であり、カナル型を許容できれば低廉な価格帯からのアップグレードに適しているのではないでしょうか。