【更新】ホームゲートウェイと思われる「PA-WH842X」が認証通過、10ギガ/IoT対応?

総務省の「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」において、NECプラットフォームズ株式会社の「PA-WH842X」が2018年12月13日付で工事設計認証を受けたことが掲載されています。

登録証明機関による工事設計認証に関する詳細情報 003-180267

(本記事には2019年1月現在での推測が含まれています)

※2019/04/01追記:2019年4月1日にNECプラットフォームズのサイトで公開され、コミュファ光向けの11ax/10GbE/Z-Wave対応ホームゲートウェイであることが確定しました。
本記事の内容は2019年1月時点のものとなります。

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認証の内容

「PA-WH842X」は第2条19号(2.4GHz)・第2条19号の3(5.2GHz/5.3GHz)・第2条19号の3の2(5.6GHz)で認証を受けており、5GHz帯では80MHz幅の通信が規定されていることから、IEEE 802.11acに対応した2.4GHz/5GHz両対応の無線LAN機器と見られます。

また、頭の「PA-」を取った後に続く型番が「WH○○○」のパターンであることから、

  • 「コミュファ光」(中部テレコミュニケーション/中部電力系)
  • 「MEGA EGG」(エネルギア・コミュニケーションズ/中国電力系)
  • 「ピカラ 光ねっと」(STnet/四国電力系)

といった電力系通信事業者のサービスで提供されている「WH832A」シリーズやONU一体型の「WH862A/O(CT)」に類する固定通信向け機器(ホームゲートウェイ)である可能性が高いと思われます。

900MHz帯での認証、IoT向け?

特筆すべき点として、WH842Xは上に挙げた項目の他に第2条8号(900MHz帯)での認証を受けています。

これまでの電力系通信事業者向けHGWや、NEC-PFが「Aterm」ブランドで販売する個人向け製品には第2条8号の認証を受けているものは見られませんが、auひかり向けHGWである「BL1000HW」が同項目、かつWH842Xと同じ周波数帯(922.5MHz, 923.9MHz, 926.3MHz)での認証を受けています。
(なお、今の所アナウンスがない『PA-BL1001HW』も2018年11月に同項目を含む認証を受けています)

BL1000HWはauのIoTサービス「au HOME」で提供される各種デバイスを接続するために900MHz帯を用いるIoT向け規格「Z-Wave」に対応しており、このための900MHz帯認証のようです。

空中線電力こそわずかに異なるものの、同一メーカー・項目・周波数での認証を受けているWH842Xに関しても、BL1000HWと同様にIoT機器のゲートウェイとしての機能を備えているのではないかと推察されます。

「コミュファ光」のIoTサービスとHGW更新

「WH832A」シリーズを導入しているサービスとして「コミュファ光」「MEGA EGG」「ピカラ 光ねっと」を挙げましたが、この内「コミュファ光」にWH842Xが何なのかを推測するための手がかりがありました。

現在の「コミュファ光スマートホーム」提供形態

KDDIの子会社で「コミュファ光」を提供する中部テレコミュニケーションは2018年からIoTサービス「コミュファ光スマートホーム」を開始しており、同サービスでは「au HOME」と同じIoT機器が提供されています。

au HOMEの機器は大半がZ-Wave対応であり「コミュファ光」の現行ホームゲートウェイとは直に接続できないため、無線LAN親機と接続しZ-Waveゲートウェイとして稼働する無線通信アダプタ (A)を介した接続となっています。

-WPS機能を盛ったホームゲートウェイ又はブロードバンドルーター(無線通信アダプタ(A)との接続にはWPS機能が必要となります。)

https://www.commufa.jp/services/option/smarthome/

2019年4月以降の提供形態

そして「コミュファ光スマートホームキャンペーン」のページには、2019年4月から通信サービスの名称が

  • 「10ギガホーム」→「10ギガホーム EX」
  • 「10ギガマンションF」→「10ギガマンションF EX」
  • 「5ギガホーム」→「5ギガホーム EX」
  • 「5ギガマンションF」→「5ギガマンションF EX」

に変更され、ホームゲートウェイが新しいものに更新されると共に、10ギガメニューでは「コミュファ光スマートホーム」が標準付帯となる旨が記載されています。

●コミュファ光スマートホームが標準付帯されます。
●2019年4月1日以降に10ギガ対応ホームゲートウェイに変わります。
2019年3月31日までに10ギガメニューを開通されるお客さまは1ギガ対応ホームゲートウェイでの提供となります。

※5ギガ対応ホームゲートウェイは、10ギガで使用するホームゲートウェイと同一です。

https://www.commufa.jp/cp/smarthome/index.html

少なくとも4月以降の10ギガ・5ギガメニューで現在と異なるホームゲートウェイが提供されることは確定事項と捉えていいようです。

「コミュファ光」向けの10ギガ対応HGW?

総務省の認証情報から判別できるのは無線部分の限られた仕様だけで有線部分の仕様や付加機能は不明、かつこれまでの記述も状況証拠になるかすら怪しいものではありますが、認証情報と通過時期、「コミュファ光」での10ギガ・IoTサービスから推測する限り、WH842Xが「コミュファ光」向けの10Gbps通信/IoT(Z-Wave)対応ホームゲートウェイである可能性は少なからず存在するのではないかと愚考する次第です。

無線部分に関しても、2.4GHz帯のIEEE 802.11nに対応したWH822Nでは「N」、IEEE 802.11acに対応したWH862A/WH832Aでは「A」だった末尾のアルファベットが「X」となっており、更にBL1000HWの仕様と一部共通する要素があることから、これまでの製品と異なる規格=IEEE 802.11ax対応?の可能性も否定できません。

いずれにせよ現時点では推測に過ぎないため、NEC-PF又は中部テレコミュニケーションからの発表が待たれます。