NECプラットフォームズ株式会社は4月1日、無線LAN対応ホームゲートウェイ「Aterm WH842X」のサポート情報を公開しました。
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過去に投入されたWH862A/OやWH832A等と同じく、単体では販売されず通信事業者を介してユーザーに提供される製品となります。
ページ内には「WH842X (CT) コミュファ専用」の表記があり、中部テレコミュニケーション(ctc)が展開する最大10Gbps対応のインターネット接続サービス「コミュファ光」(4月1日から開始された『10G/5Gホーム EX』『10G/5GマンションF EX』)向けに提供されるようです。
4月1日現在、コミュファ光のサイトでも10ギガ対応ホームゲートウェイの情報が一部公開されていますが、型番に関しては「PA-WH842A(CT)」?という表記も見られます。
無線側はIEEE 802.11ax(Draft)及びIEEE 802.11ac・a/b/g/nに対応し、IEEE 802.11ax対応機器との間では5GHz帯で最大2401.9Mbps(80MHz幅)、2.4GHz帯で最大1147.1Mbps(40MHz幅)での通信が可能です。
有線側は
- WAN端子(1基):10GBASE-T/1000BASE-T対応
- LAN1~3端子(計3基):1000BASE-T対応
- LAN4端子(1基):10GBASE-T/5GBASE-T/2.5GBASE-T/1000BASE-T/100BASE-TX対応
という構成で、この他に2基の電話機用端子(RJ-11)と1基のUSB Standard-A端子を備えます。
機能面では消費電力の削減と発熱対策を目的とした「ECOモード」(『ECO機能』・『熱対策機能』)が実装されており、それぞれの内容は以下の通りです。
ECOモード(ECO機能、熱対策機能)は、一部の機能を制限することで消費電力、本商品の温度上昇を抑えます。ECO機能または熱対策機能のいずれか一方がご使用になれます。
ECOモード|Aterm®WH842X 機能詳細ガイド
熱対策機能では、一部の機能を制限し、消費電力を抑えることで装置内部の温度上昇を抑え、フェールセーフ機能発動を抑制します。ECO 機能との違いは、起動/停止時刻設定はなく、設定パターンにより自動的に動作します。
Aterm WH842X ご利用ガイド
- 「ECO機能」:開始時刻と終了時刻を指定して作動
- 設定1:全ランプ/LEDを消灯し、LAN4端子の通信速度を最大1Gbpsに制限
- 設定2:POWER(橙点灯)・光電話・電話1・電話2ランプを残して他のランプ/LEDを消灯し、LAN4端子の通信速度を最大1Gbpsに制限
- 「熱対策機能」:設定したパターンで時刻に関わらず作動
- 設定1:7月から9月までの10:00~15:00の間、WAN端子/LAN4端子の通信速度を最大1Gbpsに制限
- 設定2:WAN/LAN4端子の通信速度を常に最大1Gbpsに制限
いずれの設定にもWAN端子・LAN端子のリンク速度を制限する項目が含まれており、10ギガビットイーサネットによる消費電力・温度への影響の大きさが伺えます。
本体が高温になった際に自動で電源を切り温度低下後に再度起動する「フェールセーフ機能」(発動時に『AIR_5G』ランプが赤色点灯)も備わっており、「熱対策機能」によって温度上昇を抑えることでフェールセーフの発動を抑制できるとされています。
フェールセーフ機能とは、本商品の内部温度が高温になると自動で本商品の電源をオフし、高温状態が解除されると自動で電源をオンする機能です。
Aterm WH842X ご利用ガイド
NECプラットフォームズが製造しKDDI(auひかり)向けに提供するBL1000HW、及びオプテージ(eo光)向けに提供するeo-RT150と似通った仕様で、3機種の主な相違点は以下のようになります。
(無線LANの仕様やWAN/LAN端子の構成はほぼ共通です)
BL1000HW | WH842X(CT) | eo-RT150 | |
Z-Wave (IoT機器接続用) | 対応 | 対応 | 非対応 |
USB端子 | 2基(3.0) | 1基(2.0) | なし |
筐体色 | 白 | 白 | 黒 |
WPSボタン | 背面 (端子付近) | 背面 (端子付近) | 前面 (LED付近) |
この内WH842Xとeo-RT150には前述の「フェールセーフ機能」が存在します。
(BL1000HWでは省電力機能によりLAN4端子のリンク速度が1Gbpsに制限される場合があるようですが、本体の電源オフを伴うフェールセーフ機能は確認できません)