
2025年6月21日現在、Amazon.co.jpで「ZTEジャパン株式会社」が出品する無線LANルーター「ZTE Sora AX3000」(ZXHN Z1321)および「ZTE Kumo AX3000」(ZXHN Z2300)が購入可能な状態になっています。同日時点の価格は前者が6,980円、後者が8,980円(いずれも税込)で、さらに15%引きクーポンが配布中です。
ZTEは中国市場では自社ブランドの無線LANルーターを多数発売しているのに対し、日本国内では無線LANをサポートする固定回線向けCPE(Customer Premises Equipment)が通信事業者を介して提供されるに留まっており、CPEとしての役割やモバイルデータ通信機能を持たない無線LANルーターがZTEから直接販売されるのは今回が初と思われます。
ZXHN Z1321は5GHz帯でWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)による最大2,402Mbps(2ストリーム/160MHz)、2.4GHz帯で最大574Mbps(2ストリーム/40MHz)の通信に対応するデュアルバンド「AX3000」クラスの製品です。
WAN端子は1基、LAN端子は2基でいずれも1000BASE-Tまでの対応です。USB端子は備わっていません。商品説明には「IPv6対応」との表記がありますが、NTT東西のフレッツ網におけるIPv6 IPoE/IPv4 over IPv6接続サービスへの対応状況は不明です。
メッシュネットワーク構築機能はWi-Fi EasyMeshに対応し、2024年10月にWi-Fi Allianceの認証を通過した際の認定対象プログラムにもWi-Fi EasyMeshが含まれています。管理はAndroid/iOS向けアプリ「ZTE Smart Life」から行えるようです。
工事設計認証を通過した際の添付資料として筐体内部の画像が公開されており、無線LANチップセットとしてMediaTek MT7916AN + MT7976DNを搭載していることが確認できます。
総務省 電波利用ポータル | 技術基準適合証明等を受けた機器の検索(『ZXHN Z1321』の検索結果)
ZXHN Z2300は5GHz帯でWi-Fi 6による最大2,402Mbps(2ストリーム/160MHz)、2.4GHz帯で最大574Mbps(2ストリーム/40MHz)の通信に対応するデュアルバンド「AX3000」クラスの製品です。
TP-Link Archer Air R5同様に壁掛けを意識したデザインですが、ZXHN Z2300は付属の台座を粘着ステッカーで壁に固定し、そこに本体を置く構造となっています(Archer Air R5は本体を直接貼付、もしくはネジ止めしたブラケット経由での固定)。また、RJ-45端子+αで筐体厚は20.7mmとなっており、RJ-45端子を跳ね上げ構造としているArcher Air R5(10.8mm)ほどの薄さはありません。
WAN端子は1基、LAN端子は3基でいずれも1000BASE-Tまでの対応です。USB端子は備わっていません。ZXHN Z1321同様、IPv6には対応するもののNTT東西のフレッツ網におけるIPv6 IPoE/IPv4 over IPv6接続サービスへの対応状況は不明です。また、Wi-Fi EasyMeshに対応する点やZTE Smart Lifeからの管理を行える点もZXHN Z1321と共通です。
こちらも工事設計認証通過時に筐体内部の画像が公開されており、プロセッサは2コア 1.0GHzのCPUを含むZXIC ZX279128R、無線LANチップセットはMediaTek MT7916AN + MT7976DNを搭載していることが確認できます。中国市場では「中兴晴天墙面路由器」(ZXSLC SR6105)として販売されている機種と概ね同一構成のようです。