
2025年7月14日現在、AliExpressにてCWWK(Changwang / 畅网微控)のマザーボード「CW-NAS-ADLP」が販売されています。
CWWK 12th generation i5-12405H & 13th generation U300e Processon 10G f – cwwk
CW-NAS-ADLPはIntel製プロセッサをオンボードで搭載し、10GbEに対応したオールフラッシュNASの構築に向くMini-ITXフォームファクタのマザーボードです。搭載プロセッサはIntel Processor U300EとCore i5-12450Hから選択でき、2025年7月14日時点の価格はそれぞれ42,434円・50,703円となっています。
U300Eは1 P-Core + 4 E-Coreの5コア/6スレッド構成を採る"Raptor Lake"世代の組み込み向けプロセッサ、Core i5-12450Hは4 P-Core + 4 E-Coreの8コア/12スレッド構成を採る"Alder Lake"世代のモバイル向けプロセッサです。どちらの場合でもヒートシンクと一体化した冷却ファンがプロセッサ上に取付済みで、ヒートスプレッダを介して任意のCPUクーラーを装着できる構造ではありません。
SO-DIMMスロットはマザーボードの裏面に2基存在し、各スロットに48GBのモジュールを装着して最大96GBまでの拡張が可能です。

https://www.changwang.cn/product?id=31
マザーボード上にはSlimSAS(SFF-8654)端子が2基設けられており、それぞれPCI Express 4.0 x8とPCI Express 3.0 x8の信号を伝送できます。SlimSAS端子には専用バックプレーンを介して最大4基のM.2 SSDもしくはU.2 SSDを接続することができます。4基すべてのSSDをPCI Express x4で接続するに足りるレーン数が確保されているため、レーンの不足によるボトルネックを回避可能です。AliExpressで販売されているものについては注文時にM.2とU.2のバックプレーンを選択でき、U.2バックプレーンのほうがわずかに高価な設定となっています。
M.2バックプレーン | U.2バックプレーン | |
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Intel Processor U300E搭載版 | 42,434円 | 44,314円 |
Core i5-12450H搭載版 | 50,703円 | 52,582円 |
また、Core i5-12450H搭載版ではマザーボード下方のPCI Express 4.0 x8スロットにも任意の拡張カードを装着できます。U300E搭載版でもスロットは存在するものの、U300Eが備えるPCI Expressレーン数の制約により利用はできません。
ネットワークインターフェースはIntel 82599(82599ES)がPCI Express x4で接続されており、2基のSFP+スロット経由での10GbE接続に対応しています。ただし82599は1レーンあたり500MB/sのPCI Express 2.0のみをサポートしているため、x4接続時の帯域幅は2GB/s = 16Gbpsとなり、2つのSFP+スロットで同時に10Gbpsのスループットを実現することは不可能と思われます。
背面I/Oおよびマザーボード上のインターフェイスは以下の通りです。
- 背面I/O
- USB 20Gbps Type-C端子×1
- USB 2.0 Standard-A端子×4
- HDMI 2.0端子×1
- DisplayPort 1.4端子×1
- 音声入出力端子×1
- SFP+スロット×2
- CLR_CMOSボタン×1
- GPIOボタン×1
- DC電源端子×1
- TFカードスロット×1
- マザーボード上
- SFF-8654(PCI Express 4.0 x8)端子×1
- SFF-8654(PCI Express 3.0 x8)端子×1
- 4-pinファンコネクタ×3
- eDP(Embedded DisplayPort)コネクタ×1
- USB 3.0ピンヘッダ×1
- USB 2.0 Standard-A端子×2
- COMピンヘッダ×1
- GPIOピンヘッダ×1
- 8-pin電源端子×1(バックプレーンへの給電用)
専用バックプレーンを介してSSD4基を接続できる反面、マザーボード上にはM.2スロットは設けられておらず、SATAにも対応していません。