MediaTek、AP/クライアント向け「Filogic」シリーズにWi-Fi 7対応モデルを追加

MediaTekは2022年5月23日、IEEE 802.11be(Wi-Fi 7)対応チップセット「Filogic 880」および「Filogic 380」を発表しました。同月24日から27日にかけて開催されるCOMPUTEX 2022においてデモンストレーションが実施される予定で、詳細な仕様や搭載製品の投入時期は明らかにされていません。

MediaTek Announces World’s First Complete Wi-Fi 7 Platforms for Access Points and Clients | MediaTek

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アクセスポイント向けのFilogic 880は5つの周波数帯(ペンタバンド)での同時運用に対応し、単一の周波数帯では10Gbps、すべての周波数帯の合計では36Gbpsクラスの通信が可能とされています。ペンタバンド構成の製品は現時点で市場に投入されていませんが、ASUS ROG Rapture GT-AXE16000NETGEAR Orbi RBKE960が採用しているクアッドバンド構成(6GHz + 5GHz + 5GHz + 2.4GHz)に6GHz帯を追加したものが想定されます。

IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)よりも拡大された320MHz幅での運用、同様にIEEE 802.11axの1024QAMから高密度化された4096QAM、複数の周波数帯を同時に利用するMLO(Multi-Link Operation)などの機能をサポートしており、4コアのArm Cortex-A73がCPUとして用いられています。

スマートフォン・タブレット・ノートPC・セットトップボックスなどクライアントを対象としたFilogic 380はIEEE 802.11beとBluetooth 5.3のコンボチップで、単一の周波数帯では5Gbps、MLOを用いて2つの周波数帯でそれぞれ2ストリームの通信を行う場合は6.5Gbpsクラスの通信が可能とされています。320MHz幅/4096QAM/MLO/MRUに対応する点はFilogic 880と同様で、Bluetooth LEをベースに新たなコーデックで音声の伝送を行う「LE Audio」にも対応しています。