Qualcomm、Wi-Fi 7 AP向けチップセット「Networking Pro Series Gen 3」を発表

Qualcommは2022年5月4日、無線LAN機器向けチップセット「Qualcomm Networking Pro Series Gen 3」を発表しました。既にサンプル出荷が開始されています。

Qualcomm Debuts Wi-Fi 7 Networking Pro Series, the World's Most Scalable Commercial Wi-Fi 7 Platform | Qualcomm

Qualcomm Networking Pro Series enters the Wi-Fi 7 era

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今回発表されたNetworking Pro Series Gen 3は

の4種から成り、いずれも現在標準化が行われているIEEE 802.11be(Wi-Fi 7)に対応しています。Qualcommが2022年3月に発表したWi-Fi 7対応の「FastConnect 7800」がスマートフォンやPCなどクライアント向けのソリューションであるのに対し、Networking Pro Series Gen 3は従来のNetworking Proシリーズと同様にアクセスポイントや無線LANルーターでの採用が想定されています。

IEEE 802.11beではIEEE 802.11ax(Wi-Fi 6E / Wi-Fi 6)比で2倍となる320MHz幅の通信がサポートされた他、Qualcommが4K QAMと呼称している4096QAMも導入され、同一の空間ストリーム数≒アンテナ数であってもIEEE 802.11axに比べて高速な通信が可能となります。

最上位モデルであるNetworking Pro 1620およびミドルレンジのNetworking Pro 820は6GHz帯と2.4GHz帯、2つの5GHz帯を用いるクアッドバンド構成をサポートし、前者は最大16ストリームの「BE33000」クラス、後者は最大8ストリームの「BE16000」クラスまでの対応が可能です。

最大12ストリーム・「BE21000」クラス対応のNetworking Pro 1220、最大6ストリーム・「BE10000」クラス対応のNetworking Pro 620は6GHz + 5GHz + 2.4GHzのトライバンド構成に留まりますが、IEEE 802.11beにおいて最大帯域幅が引き上げられたことにより、IEEE 802.11axベースのトライバンド構成よりも高速な通信が可能となっています。

CPUは全モデル共通で4コア 2.2GHz駆動のArm Cortex-A73を搭載し、14nmプロセスで製造されます。

BroadcomもIEEE 802.11be対応製品を2022年4月に発表した他、H3Cからは(採用チップセットは不明なものの)IEEE 802.11beに対応するアクセスポイントの概要が公開済みです。