「NURO Wireless 5G」2022年春提供開始、ローカル5G+Wi-Fi 6/2.5GbE対応CPEで工事なしのインターネット接続

NURO Wireless 5G向けCPE

ソニーワイヤレスコミュニケーションズ株式会社は2021年11月29日、集合住宅向けインターネット接続サービス「NURO Wireless 5G」を発表しました。2021年10月から一部エリア・ユーザーを対象にプレサービスが開始されており、2022年春に正式サービスを開始する予定です。

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NURO Wireless 5Gの概要

「NURO Wireless 5G」は対象の集合住宅をソニーワイヤレスコミュニケーションズが設置するローカル5G基地局でカバーし、部屋ごとに設置されたCPE(Customer Premises Equipment:宅内機器)を介してインターネット接続を利用可能にするものです。利用者数が限られるローカル5Gをバックホール回線として用いることにより、光ファイバーの配線が難しい環境であっても高品質なサービスが利用可能とされています。

サービス開始時点ではSub-6の4.8~4.9GHz帯のみを用いて提供され、同じくローカル5G用に割り当てられているミリ波(mmWave)の28GHz帯への対応は検討中とのことです。

月間データ量を基準とする速度制限は設けられていないものの、公式サイト内には以下の記述が見られます。

※帯域を継続的かつ大量に占有する通信手段を用いて行われる通信について、速度や通信量を制限することがあります。また、通信が著しく輻輳するときは、通信時間または特定の地域の通信の利用を制限することがあります。

https://wireless.nuro.jp/

料金・エリア・オプション

NURO Wireless 5Gの料金体系は2021年11月時点で明らかにされていません。なお、正式サービスではCPEの到着から7日間はお試し期間として料金が発生せず、8日目以降に課金が開始されるとのことです。

提供エリアは北海道、関東地方(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)、東海地方(愛知県・静岡県)、関西地方(大阪府・兵庫県・奈良県)、福岡県の一部地域です。

「NURO 光」ではIP電話サービス「NURO 光 でんわ」、TVサービス「ひかりTV for NURO」が提供されていますが、NURO Wireless 5Gではどちらのオプションも提供されません。

NURO Wireless 5G向けCPE

利用者向けにレンタルで提供されるCPEはソニーワイヤレスコミュニケーションズ製とされており、無線LAN部分はIEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)およびIEEE 802.11ac/a/b/g/nに対応、有線LAN部分は1基の2.5GBASE-T対応端子と3基の1000BASE-T対応端子を備えています。

CPEの型番は非公開ですが、総務省の「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」によると2021年11月現在、「Sony Wireless Communications Inc.」名義で「WAS-SW1000」「WCE-G1000」の2つが工事設計認証を受けていることが確認できます。前者は「第2条第11号の29に規定する特定無線設備」=5G NR(Sub-6)用基地局、後者は「第2条第11号の30に規定する特定無線設備」=5G NR(Sub-6)用陸上移動局であることから、後者のWCE-G1000が「NURO Wireless 5G」向けCPEであると思われます。

WCE-G1000の認証情報からはローカル5Gで用いられる帯域以外はサポートされておらず、5GHz帯の無線LANも160MHz幅での通信には対応していないことが見て取れます。

総務省 電波利用ホームページ | 技術基準適合証明等を受けた機器の検索(『Sony Wireless Communications Inc』の検索結果)

なお、「NURO 光」においてSONYブランドのルーターとして提供されている「NSD-G3000T」・「NSD-G1000T」は台湾Sercommの名義で工事設計認証を通過しています。