PlayStation 5における無線LANの最大通信速度を推測する

よもやま話

本稿執筆時点で発売日まで1ヶ月を切った「PlayStation 5」(以下『PS5』)ですが、同機で利用可能な無線LANの通信速度を周辺情報から推測してみたいと思います。

(本記事の内容は推測を含むものであり確定した事項ではありません。公式な情報についてはPlayStation公式サイトSony Interactive Entertainment(SIE)公式サイトを参照して下さい)

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記事要約

SIEが公開している対応規格、認証情報から得られる帯域幅・アンテナ数から、PS5では5GHz帯でIEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)による最大1,201Mbpsの通信が可能であると思われます。

PS5が対応する通信規格

PS5は公式YouTubeチャンネルで分解映像が公開されており、この中でIEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)およびBluetooth 5.1への対応が確認できる他、公式ブログの記事ではIEEE 802.11ax/ac/a/b/g/nに対応するとされています。

PlayStation®5 分解映像

プレイステーション®5 11月12日(木)に発売決定 PS5™デジタル・エディション 希望小売価格39,980円+税、PS5™ 希望小売価格49,980円+税 – PlayStation.Blog

PS5に搭載される無線LANアンテナ数

分解映像の内容

上記の分解映像では「Wi-Fi 6とBluetooth 5.1のアンテナに繋がるケーブル」を少なくとも4本確認することができます。

「J20H100」の仕様

2020年6月、Sony Coporationの名義で「J20H100」と称する無線LANモジュールがFCCの認証を通過しており、他の地域でも同名のモジュールが認証を受けています。

Sony Wireless communication module M19DFR1 FCC ID AK8M19DFR1

FCCの認証資料には「Sony Interactive Entertainment」の表記がある他、ペルー・MTC(Ministerio de Transportes y Comunicaciones)のウェブサイトで公開されている資料にはSIEの社名と「PlayStation」ロゴが入っており、このモジュールがPS5で用いられているものと思われます。

MTCの資料には「IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax (2x2 MIMO)」とあるため、このモジュールが搭載されていればPS5が対応する無線LAN規格はIEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n、無線LANで利用できるアンテナは最大2基となります。


余談ですがMTCの資料にはシールドを取り外した状態の「J20H100」の画像も掲載されており、Marvellの無線LAN/Bluetooth事業を買収したNXP Semiconductors製のコンボチップ「88W9000S」が搭載されているようです。

The 88W9000S is a highly integrated, 2x2 WLAN (2.4/5 GHz) and independent Bluetooth 5.1 combo solution.

https://launchstudio.bluetooth.com/ListingDetails/102240

(J20H100・88W9000Sについて あか @_akatama_ 様の以下ツイートを参照させて頂きました。御礼申し上げます)
https://twitter.com/akatama/status/1309031852175503361
https://twitter.com/akatama/status/1315458153845198848

PS5が対応する帯域幅

PS5は2020年9月に「CFI-1000A series 又は CFI-1000B series」として通常版(CFI-1000Aシリーズ)およびデジタル・エディション(CFI-1000Bシリーズ)が工事設計認証を通過しており、認証通過時の内容から対応する周波数帯と帯域幅が確認できます。

5GHz帯を対象とする「第2条第19号の3に規定する特定無線設備」(5GHz帯小電力データ通信システム)の項目には以下の表記が見られることから、PS5は5GHz帯のW52/W53/W56をサポートし、各帯域における最大帯域幅は80MHzとなるようです。

G1D,D1D 5.21GHz 0.000300W/MHz←5.21GHzを中心周波数とする80MHz幅の帯域(W52)
G1D,D1D 5.29GHz 0.000220W/MHz
←5.29GHzを中心周波数とする80MHz幅の帯域(W53)
G1D,D1D 5.53~5.69GHz(80MHz間隔3波) 0.000200W/MHz
←5.53/5.61/5.69GHzを中心周波数とする80MHz幅の帯域×3(W56)

登録証明機関による工事設計認証に関する詳細情報 007-AJ0076
第2条第19号の3に規定する特定無線設備

総務省 電波利用ホームページ | 技術基準適合証明等を受けた機器の検索(『CFI-1000』の検索結果)

また、上記のMTC資料でも「J20H100」は5GHz帯で80MHz幅・2.4GHz帯で20MHz幅、変調方式は1024QAMまでをサポートするとされています。

IEEE 802.11axの速度

IEEE 802.11axの通信速度は最大9.6Gbpsという数値のみが喧伝されがちですが、これは帯域幅・アンテナ数(空間ストリーム数)・変調方式のいずれも最大の構成とした場合の理論値であり、全てのIEEE 802.11ax対応機器における通信速度が最大9.6Gbpsに達するわけではありません。

Aruba Networksが公開しているIEEE 802.11axのホワイトペーパーには帯域幅と空間ストリーム数に応じた通信速度の一覧が含まれており、80MHz幅・2ストリーム時の通信速度は最大1,201Mbps(およそ1.2Gbps)であるとされています。

PS5が対応する(と思われる)最大通信速度

以上の事項より、PS5が5GHz帯でIEEE 802.11ax/ac/a/n・最大80MHz幅・2ストリームの構成を採っているとした場合、利用可能な通信速度は5GHz帯でIEEE 802.11axによる最大1,201Mbpsになると思われます。

IEEE 802.11ac対応のPlayStation 4(CUH-2x00シリーズ)・PlayStation 4 Pro(CUH-7x00シリーズ)は同じく2ストリームで最大866Mbpsのため、PS4/PS4 Pro比では約1.38倍です。

PS5との組み合わせ"のみ"を想定するのであれば、ルーター・アクセスポイント側は同じくIEEE 802.11ax・80MHz幅・2ストリームの「AX1800」・「AX1500」クラスでも問題はないと思われます。

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