【レビュー】GameSir T4 Mini コンパクトな振動/ジャイロ対応Bluetoothゲームパッド

GameSirのスマートフォン・Switch・PC向けゲームパッド「GameSir T4 Mini」(以下『T4 Mini』)を入手したので仕様や機能を見てみたいと思います。

(本商品はGameSir / GuangZhou Chicken Run Network Technology Co., Ltd.より提供を受けています)

GameSir T4 Mini Multi-platform Game Controller – GameSir Official Store

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T4 Miniの概要

T4 Miniは2021年10月に発売された製品で、有線接続・無線接続兼用の「GameSir T4」、有線接続専用の「GameSir T4w」、6軸ジャイロセンサーを搭載した「GameSir T4 Pro」に続く4種目のマルチプラットフォーム対応ゲームパッドです。

ほぼ共通のサイズを維持していた従来の3モデルに対し、T4 Miniではグリップ部分の長さを切り詰めることでサイズの小型化が図られています。

ABXYボタンが他のT4シリーズで採用されていたXboxシリーズ準拠の「下A・右B・上Y・左X」配置からNintendo Switch準拠の「下B・右A・上X・左Y」配置に変更された他、T4 Proと同じくSwitch接続時のみ利用可能な6軸ジャイロセンサーを搭載しており、マルチプラットフォーム対応は維持されているものの従来モデルよりもSwitchでの利用に重きを置いた製品と言えるでしょう。
(手元にハードが無いため本記事ではNintendo Switchとの接続は行っていません。ご了承下さい)

GameSir T4シリーズの比較

GameSir T4 MiniGameSir T4 ProGameSir T4GameSir T4w
接続方法無線(Bluetooth)
有線(USB Type-C)
無線(Bluetooth)
有線(USB Type-C)
無線(専用レシーバ経由)
有線(USB Type-C)
有線(USB)
バッテリー容量600mAh600mAh600mAh-
連続動作時間(公称値)10時間非公開非公開-
ジャイロセンサー(Switch用)--
背面カスタマイズボタン--
スマートフォン用ホルダー---

他社小型パッドとの比較

HORIから発売されている「ホリパッド ミニ for Nintendo Switch」、サイバーガジェットから発売されている「CYBER・ジャイロコントローラー ミニ 無線タイプ(SWITCH用)」との主な仕様差は以下の通りです。(HD振動・モーションIRカメラ・NFC等はいずれも非対応)

GameSir T4 Miniホリパッド ミニ
for Nintendo Switch
CYBER・ジャイロコントローラー
ミニ 無線タイプ(SWITCH用)
接続方法無線(Bluetooth)
有線(USB Type-C)
有線(USB)無線(Bluetooth)
有線(USB Type-C)
ジャイロセンサー-
バッテリー容量600mAh-非公開
連続動作時間(公称値)10時間-8時間
サイズW143×H83×D53mmW130×H70×D30mmW114×H76×D52mm
対応プラットフォームAndroid 9.0以降
iOS 13以降
Windows 7/10以降
Nintendo Switch
Windows 8.1/10
Nintendo Switch
Windows 8/10
Nintendo Switch
レトロフリーク
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外観・付属品

左:Logicool F710
中:GameSir T4 Mini
右:GameSir T4

GameSir T4に比べるとグリップが短縮されているものの、ボタン類の間隔はあまり変わりません。状態を表すLEDは数を減らした上で下部に移されています。

GameSir T4のスティックには波状の滑り止めパターンが付けられていましたが、T4 Miniでは目の細かいドットパターンに変更されています。(公式サイトの製品画像では波状パターンのため、出荷時期等によって異なる可能性があります)

本体上部にはSwitchとの接続時に使用するSyncボタンとPC接続・充電用のUSB Type-C端子があります。

GameSir T4・GameSir T4 Proに備わっていた背面のプログラマブルボタンは搭載されておらず、背面にあるのは製品情報ラベルやネジ穴のみです。また、背面の滑り止めパターンも廃されており、操作部を除く全体が均質な仕上げとなっています。

付属品はPC接続・充電用のUSB Standard-A to Type-Cケーブルと取扱説明書のみです。専用ドングルやスマートフォン用ホルダー等は付属しません。

中央のボタン配置

左スティックとABXYボタンの間にある各種ボタンは

  • 上段:-ボタン / +ボタン
  • 中段:スクリーンショットボタン / ホームボタン
  • 下段:Tボタン

となっており、この内スクリーンショットボタンはSwitch接続時の画面キャプチャ専用(Joy-ConやProコントローラーのキャプチャーボタン相当)、Tボタンはライティング・バイブレーション強度・連射機能といったコントローラー側の設定専用で、ゲームパッドのボタンとしては使用できません。

接続

Windows PC

Windows PCとは付属のUSBケーブルで接続してXInputまたはDirectInputコントローラーとして使用できます。バイブレーションは動作しますが、Switch用のジャイロセンサーはPC接続時には反応しません。

デフォルトの状態はXInput(LED1 + LED4点灯)で、+ボタンと-ボタンを同時に3秒間長押しすることでDirectInput(LED2 + LED3点灯)に切り替わり、XInputをサポートしていないソフトでも利用可能です。

ZL/ZRボタン(ショルダートリガー)はZ軸のアナログトリガーとして扱われるものの、押し込みの度合いは検知されないようです。

ホームボタンはガイドボタン(XboxコントローラーのXboxボタン)として認識され、PC側の設定によりSteamの立ち上げやXbox Game Barの展開が可能です。スクリーンショットボタンはPCでは認識されず、「JoyToKey」等のソフトでの割当も不可能でした。

PCでのボタン配置

T4 MiniはABXYボタンがSwitch準拠で配置されているため、PCに接続すると各ボタンがパッド状の印字通りに認識され、一般的なXInputコントローラーとは異なる配置(『A』・『B』、『X』・『Y』がそれぞれ入れ替わった状態)で扱われます。

Steamの「コントローラ設定」でリマップする、「XInput Plus」等のツールでゲームごとにリマップする、ゲームごとの設定でボタン配置を変更することで対処可能です。

Android

T4 Miniの電源が切れた状態からXボタンとホームボタンを同時に長押しするとLED4が点灯し、Android端末とペアリング可能な状態になります。

Supported Games List – GameSir Official Store

iOS / PC(無線)

T4 Miniの電源が切れた状態からBボタンとホームボタンを同時に長押しするとLED3が点灯し、iOS端末とペアリング可能な状態になります。

MFi Games List for iOS Devices – GameSir Official Store

また、PCとの無線接続はメーカーのサポート対象外ですが、この状態でWindows PCにBluetooth接続すると「Bluetooth XINPUT 互換入力デバイス」として認識され、バイブレーションも含めてXInputコントローラーとして利用可能でした。

Switch

Syncボタンを2秒間長押しするとNintendo Switchシリーズとペアリング可能な状態になります。ペアリング完了後はホームボタンを押すとペアリング先Switchとの接続が行われます。

使用感

サイズ・握りやすさ

T4 Miniでは手のひらに当たるグリップ部分を短縮することで小型化が図られており、指と付け根で保持するような持ち方となりますが、T4に対して保持・操作のしづらさはさほど感じません。

操作音

ABXYボタン・ショルダーボタン・ZL/ZRボタン・D-Padは「コッ」という程度の軽い音、+/-/ホーム/キャプチャー/Tボタンは「カチッ」程度ですが、スティックボタン(L3/R3ボタン)を押下すると他のボタンよりも大きな「カチッ」とした音が出るようです。(感覚的にはGameSir T4 Mini > Logicool F710 ≧ GameSir T4)

ゲームでの使用

『DEATH STRANDING』(Windows)

前述の通りABXYボタンが入れ替わった状態となっているため、Steamの「コントローラ設定」からボタンをリマップすることで通常のXInputコントローラーと同じボタン配置での操作に切り替えました。

操作感はGameSir T4とほぼ変わらず、小さくなったことによる操作への影響はさほど無いようです。ただしゲーム中で各種操作を行った際に発生するバイブレーションが強度に対してやや軽く、強度を下げた状態でも煩わしさを感じました。

『Crypt of the NecroDancer』(Windows)

D-PadとABXYボタンを多用するタイトルです。『DEATH STRANDING』と同じく、Steamの「コントローラ設定」からリマップを行った上でプレイしました。

GameSir T4やLogicool F710に比べるとD-Padが多少硬めなものの、特に問題はなくプレイ可能です。

発光パターン

T4 Miniはスティック部分に内蔵されたLEDが発光する仕様となっており、TボタンとL3ボタン(左スティックボタン)の同時押しで発光パターンを変更、または消灯できます。

Tボタンを押しながらL3ボタンを押すと、発光色がブルー→レッド→グリーン→イエロー→オレンジ→パープル→ピンク→複数色の順に切り替わります。Tボタンを押しながらL3ボタンを2度押すと、発光パターンが緩やかな明滅(単色)→緩やかな明滅(複数色)→消灯の順に切り替わります。

なお、この操作で変更できるのはスティック部分の発光パターンのみで、ABXYボタン部分の色は固定されており消灯もできないようです。

総評

従来のT4シリーズに比べてコンパクトになりながらも操作性は保たれており、一般的なゲーミング用途は十分にカバーされている製品です。「Mini」が謳われてはいるものの、ユーザーの手の大きさはさほど問われないでしょう。

ただ、標準的なXInputコントローラーと異なるボタン配置への対応がやや煩雑なため、Switch準拠のボタン配置をPCでも使用したいケースを除き、PC向けには従来のT4シリーズを検討したほうがベターではないかと思います。

GameSir T4 MiniはGameSir公式直販サイトで34.99ドル、AliExpressのGameSir Official Storeでは35.99ドル(6ドル引きクーポン適用可)で販売中です。また、プライム対象商品ではありませんがAmazon.co.jpの「GameSir JP専門店」からも4,299円で購入可能です。(価格はいずれも2021/10/13現在、AliExpressの価格は2021/10/13まで)

GameSir T4 Mini Multi-platform Game Controller – GameSir Official Store