【レビュー】TP-Link 11ac/OneMesh対応無線LAN中継機 RE300

TP-Linkより発売されている無線LAN中継機「RE300」を入手したので、仕様や機能を見てみたいと思います。

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製品概要

RE300は2019年5月に国内で発売された製品で、5GHz帯でIEEE 802.11acによる最大867Mbps、2.4GHz帯でIEEE 802.11nによる最大300Mbpsの通信に対応する「AC1200」クラスの無線LAN中継機です。

コンセントに直接繋ぐ形状の筐体にWPSボタンを備えており、LAN端子は用意されていません。

発売時点で既に販売されていた他のTP-Link製無線LAN中継機と異なる点として、TP-Linkのメッシュネットワーク構築機能「OneMesh」に対応しており既存の対応ルーターと組み合わせてメッシュネットワークを構築できる点が挙げられます。

外観・付属品

過去のTP-Link製無線LAN中継機と同じく、筐体は白を基調としたデザインとなっており、外部アンテナこそ備わっていないもののコンパクトと言っていいかは微妙なサイズです。
プラグ部分を折りたたむことはできません。

前面下部には動作状態を表す4つのLED(電源・信号・2.4GHz帯・5GHz帯)があり、ルーターと5GHz帯・2.4GHz帯のどちらで接続しているかはLEDで判別可能です。

筐体側面にはWPSボタンとリセットボタンがあります。
「OneMesh」非対応の無線LANルーター・アクセスポイントともWPSで接続できますが、ローミングや「Tether」による一括管理などは利用できません。
(『Deco』シリーズに接続した場合もローミング等が利用できないため、『Deco』で構築したメッシュネットワークの拡張にはRE300と同一デザインである『Deco M3W』の利用が推奨されています)

製品の性質上LANケーブルやドライバ・ソフトウェアディスクなどは同梱されておらず、パッケージ内にはRE300本体と接続ガイド、緩衝材のみが封入されています。

OneMeshの利用

対応ルーターの用意

通常の中継機能ではなく「OneMesh」を利用する場合、「OneMesh」に対応したTP-Link製ルーターが必要です。

2020年1月現在「OneMesh」に対応するルーターはArcher C7 v5・Archer C6(Archer C6 v2)の2モデルで、いずれもファームウェアアップデートにより対応します。

Archer C7 v5は最大1,300+450Mbpsの「AC1750/AC1800」クラス、Archer C6は最大867+300Mbpsの「AC1200」クラスで、どちらもWAN/LAN端子は1000BASE-Tまでの対応です。

今回は以前も紹介したArcher C6とRE300によるメッシュネットワークの構築を行いました。

ルーター側の準備

「OneMesh」によるメッシュネットワークの構築を行う場合、ルーターに「OneMesh」対応ファームウェアが導入されており、かつルーターモードとして動作していることが前提となります。

前者についてはArcher C7 v5が2019年8月から提供中のバージョン、Archer C6(Archer C6 v2)が2019年12月から提供中のバージョンで対応しているため、古いバージョンのファームウェアを利用している場合は事前にアップデートが必要になります。
ルーターが「OneMesh」対応ファームウェアで動作していれば、設定画面の「基本」タブ左ペインに「OneMesh」の項目が表示されます。

後者については本来であれば上流のルーターを停止すべきですが、今回はセットアップの都合上ひかり電話ルーターのネットワーク(192.168.1.0/24)内にArcher C6のネットワーク(192.168.0.0/24)が存在する2重ルーターの状態でテストを行いました。

また、ルーター側では5GHz帯と2.4GHz帯で共通のSSIDを用いる「スマートコネクト」の利用が推奨されています。
「スマートコネクト」はルーター設定画面内「基本」→「ワイヤレス」から切替可能です。

中継機の設定

中継機(RE300)をルーター付近のコンセントに繋ぐと電源が入り、1分程度で暗号化されていない2.4GHz帯のSSID「TP-Link_Extender」がクライアント側に表示されます。

スマートフォンやタブレットから当該SSIDに接続した状態でTP-Linkが提供する「Tether」アプリを起動し、初期設定を進めていくと接続先選択時に「OneMesh」対応ルーターのSSIDが表示されるので、このSSIDを選択し暗号化キーを入力します。
(ルーター側で『スマートコネクト』を有効にしている場合も2.4GHz帯/5GHz帯の両方でSSIDを選択し暗号化キーを入力する必要があります)

SSID・暗号化キーの設定が完了すると中継機に設定内容が反映され、中継機を適切な場所に設置するよう指示されます。

中継機の設置

中継機を設置したい場所のコンセントに繋ぐと電源が入り、電波強度が安定していれば2分程度で利用可能な状態になります。

カバレッジ

当然と言えば当然ではあるものの、Archer C6単体に比べてカバー可能な範囲は大幅に向上します。

今回は2階にArcher C6、1階(Archer C6直下)にRE300を設置した状態でテストを行いましたが、Archer C6単体でカバーできなかった1階がほぼRE300でカバーできるようになりました。

RE300に接続している状態での通信速度についてもArcher C6への接続時とあまり変わらず、

所感

ブリッジモードで使用できない、対応するルーターが限られるといった制約がいくつか存在するものの、既存のルーターに中継機を追加するだけでメッシュネットワークが比較的安価に構築できる点は制約をある程度補えるメリットではないかと思います。