「SoftBank Air」向けCPEとして2021年10月に発売される予定の「Airターミナル5」と従来モデル(Airターミナル4 NEXT・Airターミナル4以前)の相違点を見てみたいと思います。
WAN側の仕様
Airターミナル5 | Airターミナル4 Airターミナル4 NEXT | Airターミナル3 | Airターミナル2 Airターミナル | |
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対応通信方式 | 5G NR FDD-LTE TDD-LTE(AXGP) | FDD-LTE TDD-LTE(AXGP) | FDD-LTE TDD-LTE(AXGP) | TDD-LTE(AXGP) |
対応周波数帯 | 5G NR n77 FDD-LTE Band1 TDD-LTE Band41/42 | FDD-LTE Band1 TDD-LTE Band41/42 | FDD-LTE Band1 TDD-LTE Band41/42 | TDD-LTE Band41 |
通信速度 | 下り最大2.1Gbps | 下り最大962Mbps(無印) 下り最大612Mbps(NEXT) | 下り最大350Mbps | 下り最大261Mbps(2) 下り最大110Mbps(初代) |
初代AirターミナルおよびAirターミナル2はWireless City Planningが整備している2.5GHz帯のAXGP(TDD-LTE Band41)のみをサポートしており、Airターミナル3でソフトバンクのFDD-LTE Band1(2.1GHz)・TDD-LTE Band42(3.5GHz)が追加され現在に至っています。
Airターミナル5はSoftBank Air向けCPEとして初めて5G NRに対応し、ソフトバンクの5G NR n77(3.4/3.7GHz)エリアでは従来モデルよりも高速な通信が可能となります。Airターミナル5の下り最大2.1Gbpsは過去のAirターミナルシリーズで最も高速なAirターミナル4(下り最大962Mbps)の倍以上、Airターミナル4 NEXT(下り最大612Mbps)の3倍以上です。
なお、ソフトバンクはn77以外にも更なる高速通信が可能かつエリアが限られるミリ波 / mmWave帯のn257(28GHz)、4G向けの帯域を転用したn3(1.7GHz)・n28(700MHz)の各周波数帯で5Gネットワークを運用していますが、これらの周波数帯はAirターミナル5ではサポートされていません。他社5G網で用いられているn78(3.5GHz)・n79(4.5GHz)も同様に非対応です。
(周波数の表記および運用状況はソフトバンクが公開している『SIMロック解除が可能な機種の周波数帯一覧』に則っています)
更にAirターミナル5には「アンテナセレクション」と呼ばれる機能が搭載され、本体に内蔵された8基のアンテナから電波状況に応じて適切な4基を自動選択し、通信の安定化を図るとされています。
無線LAN
Airターミナル5 | Airターミナル4 NEXT | Airターミナル4(ax非対応) | Airターミナル3 | Airターミナル2 Airターミナル | |
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対応通信規格 | IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n | IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n | IEEE 802.11ac/a/b/g/n | IEEE 802.11ac/a/b/g/n | IEEE 802.11b/g/n |
対応周波数帯 | 5GHz / 2.4GHz | 5GHz / 2.4GHz | 5GHz / 2.4GHz | 5GHz / 2.4GHz | 2.4GHz |
通信速度 | 不明(最大2.4Gbps以上?) | 最大1.2Gbps | 最大1.3Gbps | 最大866Mbps | 最大300Mbps |
Airターミナル5が対応している無線LANの規格はIEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)・IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5)・IEEE 802.11n(Wi-Fi 4)・IEEE 802.11a/b/gです。AirターミナルにおけるIEEE 802.11axのサポートはAirターミナル4 NEXT・Airターミナル4の一部モデル(B610h-71a)に続き3例目となります。
無線LANの最大通信速度や対応帯域幅は公開されていませんが、下り最大2.1Gbpsの通信を行うためにIEEE 802.11ax対応クライアントが必須とされていること、無線LANにおいて4x4 MIMOがサポートされていることから、最低でも2,402Mbps(4ストリーム/80MHzまたは2ストリーム/160MHz)での通信が可能と見られます。
有線LAN
有線LANの仕様は初代Airターミナルから一貫しており、Airターミナル5を含む全てのモデルが1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T対応のRJ-45端子を2基備えています。
より高速な2.5GBASE-T/5GBASE-T(IEEE 802.3bz)やリンクアグリゲーションには対応していないため、前述の通りAirターミナル5の通信速度を活かすためにはIEEE 802.11ax対応クライアントを無線接続する必要があります。
価格・レンタル
Airターミナル5 | Airターミナル4 Airターミナル4 NEXT | |
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支払総額 (36回分割) | 71,280円 (1,980円×36回) | 59,400円 (1,650円×36回) |
月月割 | -1,980円×36回 | -1,650円×36回 |
レンタル | - | 月額539円 |
2021年9月14日現在、ソフトバンクのサイトで公開されているAirターミナル5の価格は71,280円、月月割は-1,980円×36回です。Airターミナル本体を36回の分割払いで購入し、月月割を充当することで本体の実質負担額を0円とする支払形態は従来モデルと変わりませんが、本体価格の上昇に伴い月月割も増額されています。
Airターミナル4 NEXTまで設定されていたレンタルは利用できず、分割または一括での購入のみとなります。
Airターミナル5の投入に伴い料金プランがAirターミナル5・Airターミナル4 NEXT・Airターミナル4共通で契約解除料の発生しない「Air 4G/5G共通プラン」にリニューアルされ、2021年9月15日から提供される予定です。
他社5Gルーターとの違い
Airターミナル5 | home 5G HR01 | Speed Wi-Fi HOME 5G L11 | |
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WAN規格 | 5G NR FDD-LTE TDD-LTE(AXGP) | 5G NR FDD-LTE TDD-LTE | 5G NR FDD-LTE TDD-LTE(WiMAX 2+) |
WAN周波数帯 | 5G NR n77 FDD-LTE Band1 TDD-LTE Band41/42 | 5G NR n78/n79 FDD-LTE Band1/3/19/21/28 TDD-LTE Band42 | 非公開 |
無線LAN規格 | IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n | IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n | IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n |
有線LAN端子 | 2基(1000BASE-T) | 1基(1000BASE-T) | 2基(1000BASE-T) |
最大通信速度(WAN) | 最大2.1Gbps | 最大4.2Gbps | 最大2.7Gbps |
最大通信速度(無線LAN) | 不明(最大2.4Gbps以上?) | 最大1,201Mbps | 最大1,201Mbps |
価格 | 71,280円(月月割適用可) | 39,600円(月々サポート適用可) | 21,780円(UQ版) |
ラストワンマイルに5G網を用いる据置型ルーター(CPE)を投入する動きは他のキャリアでも見られ、2021年8月にはNTTドコモ「home 5G HR01」とKDDI・沖縄セルラー電話「Speed Wi-Fi HOME 5G L11」(au版)、2021年6月にはUQコミュニケーションズ「Speed Wi-Fi HOME 5G L11」(UQ版)が発売されています。