2017年も2ヶ月目に入りました。
NETGEARのスイッチが安くなっていることもあり、10ギガビットイーサネット(10GbE)について考えてみたことを気の向くままに書いてみたいと思います。
本記事は2017年2月時点の情報を基に記述されたものです。
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一般の御家庭に10GbEを導入する意義
今の段階で10GbEを導入する理由は「PCやNAS間でデータ転送を高速化したい」という点に尽きるでしょう。
特にSSDのアクセス速度向上は著しく、GbEがボトルネックになる(10GbEですらボトルネックになり得る)製品が多々あります。
サイズが大きいデータを頻繁に転送する用途では10GbEが効力を発揮するはずです。
逆に「1台のWi-FiルーターにPCやスマートフォン・タブレットをぶら下げ、インターネット接続とLAN内通信を賄う」といった(恐らく一般的であろう)環境では10GbEを導入するメリットはほぼありません。
インターフェイス
10GbEでは主にSFP+と10GBASE-T(RJ-45)がインターフェイスとして用いられます。
SFP+は消費電力が少なく遅延も小さいようですが、そこそこの値段がするモジュール(トランシーバ)を用意し光ファイバーケーブルで接続しなければなりません。
銅線ケーブルにトランシーバが直付けされたダイレクトアタッチケーブルにすると価格は抑えられますが距離を伸ばすことができず、利用シーンは接続する機器同士が近くにある場合に限られます。
10GBASE-Tは従来の10BASE-T/100BASE-TX/1000BASE-Tと同じくRJ-45端子を使うため古い機器との混在が可能で、ケーブルの入手しやすさ(販売場所・価格)もSFP+に比べると大幅に優ります。
NIC
ごく一部のマザーボードを除いて10GbE用の端子は標準で搭載されていないので、後付で拡張することになります。
PCI Expressスロットに接続する拡張カード形式のものが大半を占めますが、Thunderboltを使う珍しい製品もあります。
Intel X540T2(10GBASE-T)
Intelの10GBASE-T x 2ポートNICです。
GbEX-PCIE(10GBASE-T)
こちらはTehuti Networksのチップを搭載しているようです。
Mellanox ConnectXシリーズ(SFP+/10GBASE-T)
新品は値が張りますが、オークションを眺めるとカード単体がかなりの安値で出品されていることがあります。
スイッチ
個人で10GbEを導入する際にネックになるのがスイッチです。
NICと同様に値下がりはしているもののポート数や管理機能を求めると途端に値段が上がり、消費電力や動作音・発熱も無視できるものではないので、ごく限られた台数のPC間でデータを転送するような用途であればスイッチを使わずNIC同士を直結した方がいいかもしれません。
ELECOM EHB-UT2Aシリーズ
市販されている10GbEオンリーのスイッチでは最も安価であろう製品です。
VLANやQoS制御などの機能は完全に切り捨てられていますが、4ポートのEHB-UT2A04F(NTT-X Store) は5万円を切る価格で入手できます。
BUFFALO BS-XP20シリーズ
レイヤー2 10Gigaスイッチ : BS-XP20シリーズ | BUFFALO バッファロー
こちらはウェブブラウザからの管理が可能で、VLAN/QoSにも今後対応予定とされています。
8ポートのBS-XP2008が8万円前後で入手できます。
NETGEAR XS708E/XS716E
10ギガ(10GBASE-T)8ポート アンマネージプラス・スイッチ(VLAN, QoS, リンクアグリゲーション) XS708E | ネットギア【NETGEAR】
NETGEARが現在セールを行っている製品の内、VLANや管理機能の一部を省いて低価格化した「アンマネージプラス」に属するスイッチです。
その他
上に挙げたものはどれも全ポート10GBASE-T対応のスイッチですが、D-LinkのDGS-1510-20のように1000BASE-Tまでのスイッチが少数の10GbE SFP+ポートを備えていることもあります。
ルーター
現在個人が入手できる範囲のルーターで10GbEに対応したものはほぼありません。
例外としてNETGEARのNighthawk X10 R9000(国内未発売)がLAN側に10GbE対応のSFP+端子を備えています。