
2025年7月18日現在、Amazon.comでSabrentの拡張カード「EC-PM2L」が販売されています。同日時点の価格は299.99USD(約44,640円)です。
3-Drive PCIe 3.0x4 NVMe M.2 SSD Card with Ethernet Port - Sabrent
EC-PM2Lはブラケット部に1基の10GBASE-T対応RJ-45端子、基板上に3基のM.2 Key Mスロットを備えるPCI Express接続の拡張カードです。PCI Express 3.0 x4対応のスロットを備えるPCに装着することで、10GbEへの対応とSSD3基の増設を1枚のカードで賄えます。
SabrentからはPCI Express 3.0の4レーンをカード上のスイッチで2レーン×4に分割し4基のSSDを装着できるEC-P3X4が既に発売されており、EC-PM2Lは同製品のSSDスロット1基を10GbE端子に置き換えた構成です。スイッチの搭載によりコストは上昇するものの、マザーボード側でのレーン分岐(Bifurcation)のサポートは不要になるのが特徴と言えます。
3基のSSDはいずれもPCI Express 3.0 x2での接続となり、M.2 2280/2260/2242/2230の各形状がサポートされています。10GbEを含めてホストとのPCI Express 3.0 x4接続を共有するため、単体利用時に比べるとパフォーマンスが限られる点には注意が必要です。
10GbEインターフェースの詳細は公開されていませんが、PCI Express 3.0 x2での接続が可能なMarvell AQC113が搭載されている可能性が高いと思われます。(製品ページのイメージ図ではコネクタ部に『Aquantia』の文字が見られます)
カード全体はヒートシンクで覆われており、アクティブ冷却用のファンは非搭載です。
ネットワーク接続とストレージ拡張を1枚のカードで可能にする試みは主にNASメーカーが活発に行っており、ASUSTOR AS-T10G3・QNAP QM2-2P410G1T・Synology E10M20-T1・XikeStor SKN-2BT-M2といった事例が存在します。SilverStoneもほぼEC-PM2Lと同じ構成のECM30(SST-ECM30)をCOMPUTEX 2024で出展していたようですが、実機は2025年7月現在も投入されていません。