
TP-Link Systems Inc.は2025年10月12日、Wi-Fi 8(IEEE 802.11bn)を用いた無線接続の実証試験に成功したことを発表しました。
TP-Link Achieves Breakthrough With First Wi-Fi 8 Connection
Wi-Fi Allianceによって「Wi-Fi 8」との命名が見込まれるIEEE 802.11be(UHR:Ultra High Reliability)は標準化作業の途上にあり、IEEE 802.11 Working Group Project TimelinesによるとDraft D1.0に対するWG内のLetter Ballotが2025年10月6日に実施されています。Wi-Fi Allianceのウェブサイトでも、Current Work Areasのページにおいて「Wi-Fi 8」の表記が確認できる状態です。
Wi-Fi 8, the latest generation of Wi-Fi, adds an ultra-high reliability capability to a wireless network, increasing throughput, reducing latency, reducing power consumption for APs and improving peer-to-peer operation compared to Wi‑Fi 7.
https://www.wi-fi.org/current-work-areas
今回TP-Linkが実施した試験では業界のパートナーシップに基づいて開発されたプロトタイプ機器を用い、Wi-Fi 8のビーコンおよびデータの疎通が確認されたようです。試験に使用されたプロトタイプの内容や、開発に参加した企業などの情報は明らかになっていません。
2025年10月現在はWi-Fi 8対応のチップセットすら存在しない状態であり、あくまでも開発段階の機器による試験に成功したという段階に過ぎませんが、2020年代後半にかけて登場が見込まれるWi-Fi 8対応製品へのマイルストーンと言って差し支えないと思われます。