「フレッツ 光クロス」対応ルーター「XG-100NE」と既存HGWの違い

まとめ

2020年3月16日のNTT東日本エリアでの「フレッツ 光クロス」の申込受付開始に伴い公開された、同サービスで提供される無線LANルーター「フレッツ 光クロス対応レンタルルータ(XG-100NE)」について、既存の「フレッツ」サービスで提供中のホームゲートウェイ(HGW)・ひかり電話ルーターとの相違点を見てみたいと思います。

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仕様一覧

XG-100NEPR-600シリーズRX-600シリーズ(参考A)
Aterm BL1000HW
(参考B)
NSD-G1000T
メーカーNECプラットフォームズ沖電気工業
三菱電機
同左NECプラットフォームズSONY
5GHz帯 通信速度
(対応規格)
最大2401.9Mbps
(IEEE 802.11ax/ac/a/n)
最大1,733Mbps
(IEEE 802.11ac/a/n)
同左最大2401.9Mbps
(IEEE 802.11ax/ac/a/n)
最大4,800Mbps
(IEEE 802.11ax/ac/a/n)
2.4GHz帯 通信速度
(対応規格)
最大1,147.1Mbps
(IEEE 802.11ax/b/g/n)
最大300Mbps※1
(IEEE 802.11b/g/n)
同左最大1,147.1Mbps
(IEEE 802.11ax/b/g/n)
最大1,150Mbps
(IEEE 802.11ax/b/g/n)
WAN接続10GBASE-T端子※2GE-PON ONU一体型小型ONU/
1000BASE-T端子
10GBASE-T端子※2GPON 光ファイバー
LAN端子10GBASE-T端子×1※2
1000BASE-T端子×3
1000BASE-T端子×4同左10GBASE-T端子×1※2
1000BASE-T端子×3
2.5GBASE-T端子×1
1000BASE-T端子×3
電話機端子2基(将来拡張用)2基2基1基なし
USB端子3.0 Standard-A×22.0 Standard-A×22.0 Standard-A×23.0 Standard-A×22.0 Standard-A×1
※1:無線LANカード SC-40NE「2」接続時
※2:5GBASE-T/2.5GBASE-Tにも対応

XG-100NE・PR/RX-600シリーズの他、参考としてXG-100NEと同じくNECプラットフォームズ製のAterm BL1000HW、IEEE 802.11axに対応するSONY NSD-G1000Tを掲載しています。

メーカー・型番

XG-100NEのメーカーは現在公開されている範囲のページには明記されていませんが、メーカーを表す末尾2桁が「NE」であること、工事設計認証を「NECプラットフォームズ株式会社」名義で通過していることから、従来の「NE」が付くNTT東西向け機器と同じくNECプラットフォームズ製であることがわかります。

総務省 電波利用ホームページ | 技術基準適合証明等を受けた機器の検索(『XG-100NE』の検索結果)

2014年~2015年に提供が開始された500シリーズ(PR/RT/RS-500xx)、2019年に提供が開始された600シリーズ(PR/RX-600xx)のHGWはいずれも沖電気工業(KI)・三菱電機(MI)が製造を担当していたため、NECプラットフォームズ製のルーターが「フレッツ光」の個人向けサービスで提供されるのは旧NECアクセステクニカ時代の400シリーズ(PR/RT-400xx、RV-440xx)以来です。


ひかり電話ルーター/HGWでは型番の先頭2桁は機器の種別(『PR』:ONU一体型、『RT』:ルーター単体型、『RV』:VDSL対応型、『RS』:小型ONU対応型、『RX』:小型ONU/RJ-45両対応型)を表していますが、今回は過去に使用されたことのない「XG」が付与されました。

X=「クロス」、X=「10」・G=「ギガ」などの意味合いが考えられないこともありませんが、今のところどのような法則で「XG」が付けられたかは定かではありません。

数字部分は従来のひかり電話ルーター/HGWとは用途が異なるためか、600シリーズから続く「700」ではなくリセットされた「100」が付与されました。

WAN接続

「フレッツ 光クロス」は上下最大概ね10Gbpsの通信に対応するFTTHサービスのため、XG-100NEも最大10Gbpsの10GBASE-TによるWAN接続に対応しています。

ホームゲートウェイではNTT東日本向けのRS-500KI/RS-500MIで採用され、後にRX-600KI/RX-600MIでNTT西日本エリアでも利用可能になった小型ONUですが、XG-100NEにはSFPモジュールを収容するスロットが存在しないため、小型ONUもしくはそれに類する機器の利用は想定されていないようです。

NTT西日本のウェブサイトに掲載されている接続イメージの通り、回線を引き込んだ宅内に10GBASE-T端子を備える10G-EPON ONUを設置し、そこにXG-100NE(または他のルーター)を接続して利用することになります。
サービスメニュー|フレッツ 光クロス|フレッツ光公式|NTT西日本

LAN端子

XG-100NEは10GBASE-T対応のLAN端子を1基備えており、10GBASE-Tに対応した機器であればボトルネックを発生させることなく10GBASE-T対応機器→XG-100NE→ONU→WANの接続が可能です。

複数台の10GBASE-T対応機器を接続する場合は10GBASE-Tに対応したスイッチングハブが必要ですが、全ポートが10GBASE-Tに対応するハブの価格は手頃から程遠い状態のため、予算を潤沢に確保しフル10GbE環境を構築するか、一部を5GBASE-T/2.5GBASE-T/1000BASE-Tにした環境を構築するかは慎重に考慮すべき点ではないかと思われます。

参考までに、4ポート全てが10GBASE-Tに対応するエレコム EHB-UT2A04Fは3~4万円、5ポート全てが10GBASE-Tに対応するNETGEAR XS505M-100AJSは4万円前後で販売されています。

無線LAN

10GBASE-T対応に次ぐXG-100NEでの大きな変更点が無線LAN部分で、NTT東西が提供する無線LANルーターとして初めてDraft IEEE 802.11ax(“Wi-Fi 6”)に対応し、5GHz帯では最大2401.9Mbpsの通信が可能となります。

また、500シリーズ・600シリーズのHGWはRS-500シリーズを除いて5GHz帯のみに対応し、2.4GHz帯については最大300MbpsのIEEE 802.11nに対応するSC-40NE「2」に依存していましたが、XG-100NEは2.4GHz帯の通信機能も内蔵されており、IEEE 802.11axによる最大1,147.1Mbpsの通信に対応しています。

空間ストリーム数は公開されていませんが、上記の通信速度が5GHz帯は80MHz幅時、2.4GHz帯は40MHz幅時のものとされているため、Aterm BL1000HWと同じく5GHz帯・2.4GHz帯ともに4ストリーム対応と思われます。

暗号化方式

WPA2-PSK(AES)までのサポートに留まっていた従来のひかり電話ルーター/HGWに対し、XG-100NEでは新たにWPA3-SAE(AES)=WPA3-Personalがサポートされています。

比較的新しいAndroid/iOSスマートフォンやIntelの特定NICを搭載したWindows PCなどの機器であれば、XG-100NE側の設定を変更することでWPA3-Personalによる接続が可能となります。

電話機

既報通り「ひかり電話」はサービス開始当初の「フレッツ 光クロス」では提供されず、提供条件にもその旨が記載されています。

ただし、XG-100NEは「将来拡張用」の名目で電話機用のRJ-11端子を2基備えているため、今後条件が整った際にはファームウェアアップデート等でひかり電話への対応が行われる可能性が0ではないと思われます。

IPv4 over IPv6

サービス開始時点の「フレッツ 光クロス」ではIPv6 PPPoE・IPv4 PPPoEは利用できないため、IPv4のみ対応のウェブサイトを閲覧する等の目的を達成するためにはVNE各社が提供するIPv4 over IPv6接続機能を利用する必要があります。

XG-100NEの製品ページには「10GBASE-T 対応/Wi-Fi6 対応<Draft IEEE802.11ax 対応>/IPv4 over IPv6対応ルータ」の記述があるため、現行のHGWと同じく(VNEが対応していれば)IPv4 over IPv6接続を利用できるようです。

VNEとしてはJPNE・インターネットマルチフィード・ASAHIネットが「フレッツ 光クロス」対応サービスを提供する予定です。
「フレッツ 光クロス」対応サービスの提供開始について | 日本ネットワークイネイブラー株式会社
NTT「フレッツ 光クロス」対応のサービス提供開始のお知らせ|会員サポート|プロバイダ ASAHIネット

VNE各社のサービスへの対応は従来と同じく「フレッツ・ジョイント」で必要な情報が配信される形式となるようです。

ソフトウェア配信事業者さまについては、「フレッツ・ジョイント」を利用して、本サービスご契約者さまに対しソフトウェアを配信することが可能です。

https://flets-w.com/service/cross/service_menu/

工事完了後、速やかにお客さまご自身で回線終端装置(ONU)と「10ギガ対応無線LANルーター」を接続し、電源を入れておくことで、アプリケーションが配信され、IPv4通信が利用可能となります。

https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/hikari/notice/docomohikari_10g_notice.pdf

IPv6 PPPoE・IPv4 PPPoE

「フレッツ 光クロス」では2020年4月のサービス開始からおよそ半年後の2020年10月(NTT西日本)・11月(NTT東日本)にIPv6 PPPoEおよびIPv4 PPPoE方式がサポートされる予定ですが、XG-100NEのPPPoE対応予定時期は更に後の2021年2月となっています。

提供事業者

NTTドコモが2020年4月からサービスを開始する「ドコモ光 10ギガ」の内、NTT西日本エリアではXG-100NEが提供され、NTT東日本エリアでは同等仕様の機器が「10ギガ対応無線LANルーター」として提供される予定です。

ソフトバンクが2020年4月からサービスを開始する「SoftBank 光 ファミリー・10ギガ」ではXG-100NE、または同等製品が「ホームゲートウェイ(N)10ギガ」として提供される予定です。

「フレッツ 光クロス」の卸を受けて最大概ね10Gbpsの通信サービスを提供する他の「光コラボ」事業者でも、同様にXG-100NEの提供事例が出てくると予想されます。

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