2023年1月より販売が開始されたバッファローのWXR-6000AX12Pについて、既存モデルであるWXR-6000AX12S・WXR-600012BおよびWXR-5950AX12との違いを整理しておきます。
製品概要
WXR-6000AX12Pは5GHz帯でIEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)による最大4,803Mbps(4ストリーム/160MHz or 8ストリーム/80MHz)、2.4GHz帯で最大1,147Mbps(4ストリーム/40MHz)の通信に対応するデュアルバンド「AX6000」クラスの製品です。
各1基のWAN端子およびLAN端子が10GBASE-T/5GBASE-T/2.5GBASE-Tに対応するほか、1000BASE-T対応のLAN端子を3基、USB 3.2 Gen 1 Standard-A端子を1基備えます。2基のポートが10GbEに対応しているため、WAN側を「フレッツ 光クロス」や「NURO光 10ギガプラン」など最大10Gbpsの通信が可能なサービスに、LAN側を10GbEインターフェイスを備えるPCやスイッチに接続し運用することが可能です。
NTT東西のフレッツ網におけるIPv6 IPoE/IPv4 over IPv6接続サービスはtransix・v6プラス・IPv6オプション・OCNバーチャルコネクト・クロスパス・v6 コネクトに対応しています。
付加機能としては他社製品を含む対応機器と組み合わせてメッシュネットワークを構築する「Wi-Fi EasyMesh」、セキュリティ・ペアレンタルコントロール機能「ネット脅威ブロッカー 2プレミアム」などが利用可能です。
各モデルの違い
WXR-6000AX12PとWXR-6000AX12S・WXR-6000AX12Bの実質的な違いはセキュリティ機能の点のみです。WXR-6000AX12Pには「ネット脅威ブロッカー2 プレミアム」、WXR-6000AX12Sには「ネット脅威ブロッカー プレミアム」が実装されており、WXR-6000AX12Bは同様のセキュリティ機能を搭載していません。
「ネット脅威ブロッカー プレミアム」は機能制限版である「ネット脅威ブロッカー ベーシック」と合わせてバッファローの無線LANルーターに広く搭載されていた機能で、不正な通信やコンテンツフィルタリングに必要なデータの提供元はKaspersky Labでした。
これに対してWXR-6000AX12Pの「ネット脅威ブロッカー2 プレミアム」は実装されている機能こそ「ネット脅威ブロッカー プレミアム」と変わらないものの、動作に必要なデータを複数の情報源から複合的に取得するようになっています。
なお、ASAHIネットの提供するIPv6 IPoE/IPv4 over IP6接続サービス「v6 コネクト」への対応状況にも投入時期のズレによってわずかな違いがあります。WXR-6000AX12P・WXR-6000AX12Bは初期ファームウェアの状態でv6 コネクトをサポートしているのに対し、WXR-6000AX12Sではファームウェア Ver.3.40以降へのアップデートによってv6 コネクトが利用可能になります。
バッファロー製品の型番について
バッファローの現行無線LANルーター(Wi-Fi 6/Wi-Fi 6E対応製品)で用いられる型番は概ね以下のような構成になっており、後方に特定販路向けモデルを表す「/N」もしくは「/D」が付与されている場合があります。
- W○R-xxxx△△yy◇(/D|/N)(□□)
- ○:ラインナップにおけるおおよその位置付け
- X:上位モデル("フラッグシップ"・"ハイパフォーマンス")
- S:中位~下位モデル("プレミアム"・"スタンダード"・"エントリー")
- N:定義不詳(実例はWNR-5400XE6のみ)
- xxxx:周波数帯ごとの通信速度を合算・切り上げたもの(クラス表記)
- △△:対応規格
- AX:IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)対応
- XE:IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6E)対応・トライバンド
- ◇:セキュリティ機能
- S:ネット脅威ブロッカー プレミアム/ベーシック搭載
- P:ネット脅威ブロッカー2 プレミアム搭載
- B/無印:非搭載
- yy:空間ストリーム数(アンテナ数)の合計
- (/D|/N):特定販路向けモデル(通常モデルでは省略)
- (□□):カラーリング(カラーバリエーションのない機種では省略)
- BK:ブラック
- WH:ホワイト
- MB:マットブラック
- CG:シャンパンゴールド
- 等
- ○:ラインナップにおけるおおよその位置付け
どの型番がどの販路に振り分けられるかは明らかにされていないものの、実例から判断する限りは「/N」がAmazon.co.jp限定モデルを表し、その他の販路では無印もしくは「/D」の付いたモデルが販売されています。(NTT-X Storeのように無印と『/D』の両方を取り扱う販売店も存在します)
過去にはAmazon.co.jp限定モデルと他の販路向けモデルで利用できる機能が異なる事例が存在しましたが、2023年2月現在はこれら「/N」・「/D」サフィックスの有無による仕様の違いは存在せず、型番およびJANコードが異なるのみとなっています。どの販路で購入したものであっても実使用においては「/N」・「/D」を省いた通常モデルとの違いはありません。