オプテージの固定通信サービス「eo光」で提供されている「10ギガ対応eo光多機能ルーター」の現行モデル「eo-RT200(N)」と旧モデル「eo-RT150(N)」の違いを見てみたいと思います。
10ギガ対応eo光多機能ルーターの機能詳細【eo-RT200(N)】|eoユーザーサポート
10ギガ対応eo光多機能ルーターの機能詳細【eo-RT150(N)】|eoユーザーサポート
両機の主な仕様
eo-RT200(N) | eo-RT150(N) | |
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メーカー | NECプラットフォームズ | NECプラットフォームズ |
対応規格(無線LAN) | IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6) IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5) IEEE 802.11n(Wi-Fi 4) IEEE 802.11a/b/g | IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6) IEEE 802.11ac(Wi-Fi 5) IEEE 802.11n(Wi-Fi 4) IEEE 802.11a/b/g |
最大通信速度(5GHz帯) | 2,401.9Mbps (2str/160MHz or 4str/80MHz) | 2,401.9Mbps (4str/80MHz) |
最大通信速度(2.4GHz帯) | 1,147.1Mbps (4str/40MHz) | 1,147.1Mbps (4str/40MHz) |
無線LAN暗号化方式 | WPA3-SAE(AES) WPA3-SAE Transition Mode WPA2-PSK(AES/TKIP) WPA-PSK(AES/TKIP) WEP | WPA2-PSK(AES/TKIP) WPA-PSK(AES/TKIP) WEP |
WAN端子 | 10GBASE-T/5GBASE-T/2.5GBASE-T×1 | 10GBASE-T/5GBASE-T/2.5GBASE-T×1 |
LAN端子 | 10GBASE-T/5GBASE-T/2.5GBASE-T×1 1000BASE-T×3 | 10GBASE-T/5GBASE-T/2.5GBASE-T×1 1000BASE-T×3 |
電話ポート | RJ-11×2 | RJ-11×2 |
5GHz帯 160MHz幅・144chのサポート
eo-RT150は5GHz帯の最大帯域幅が80MHz幅(HE80/VHT80・NECプラットフォームズの表記では"クワッドチャネル")のため、より広い帯域幅に対応するIntel製IEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)モジュールや一部スマートフォンなどでは5GHz帯の通信速度が限定されていました。
対してeo-RT200は160MHz幅(HE160/VHT160・同"オクタチャネル")での通信に対応したため、Intel AX200/201/210/211/411やGalaxy S21 UltraなどHE160をサポートするWi-Fi 6クライアントと接続した際に最大2,401.9Mbpsの通信が可能となります。なお、160MHz幅での運用時は空間ストリーム数が2に制限されるため、80MHz幅(4ストリーム)・160MHz幅(2ストリーム)のどちらでも最大通信速度は2,401.9Mbpsで変わりません。
また、eo-RT200は5GHz帯(W56)においてeo-RT150と同じ100/104/108/112/116/120/124/128/132/136/140chをサポートする他、中心周波数 5,720MHzの144chが追加されました。これにより20MHz幅・40MHz幅・80MHz幅で利用可能なチャネルがeo-RT150に比べて1つずつ増加します。
144chの利用有無はクイック設定Webから変更でき、利用に際してはクライアント側でも144chのサポートが必要です。
WPA3のサポート
eo-RT200ではWPA2-PSK・WPA-PSKに加えてWPA3-SAE(WPA3-Personal)がサポートされ、クライアントがWPA3-SAEに対応していればよりセキュアな通信を行うことが可能になりました。WPA3-SAEは単体、もしくはWPA2-PSKとの混在(Transition Mode)で使用可能です。
「無線LAN状態」
eo-RT200ではクイック設定Web内に「無線LAN状態」の項目が追加され、5GHz帯および2.4GHz帯をスキャンし周辺アクセスポイントの使用中チャネル・対応規格・帯域幅を可視化する「無線LAN利用状況」、eo-RT200に接続している無線LANクライアントのMACアドレス・対応規格・通信速度などを一元管理できる「接続端末情報」が使用可能になっています。
無線LAN利用状況の確認方法【eo-RT200(N)】|eoユーザーサポート
消費電力
消費電力の公称値はeo-RT150が最大27W、eo-RT200が最大24Wとされており、わずかな省電力化が図られています。
変更されていない点
仕様を確認する限りでは上に挙げたもの以外の大きな違いは確認できず、
- LAN端子の構成(10GBASE-T/5GBASE-T/2.5GBASE-T×1 + 1000BASE-T×3)
- 無線LANアンテナの構成(5GHz帯:4x4 / 2.4GHz帯:4x4)
- フェールセーフ機能(本体高温時に10GBASE-T/5GBASE-T/2.5GBASE-Tを無効化、または電源をオフにする機能)
- その他付加機能(アドバンスドNAT・ポートマッピング・IPパケットフィルタリング・DHCPサーバ・通信機能ログ・UPnP・DMZホスト)
などはeo-RT200・eo-RT150で共通しています。
NECプラットフォームズの一部市販モデルが対応しているメッシュネットワーク構築機能、端末ごとに利用可能な時間を制限する「こども安心ネットタイマー」、「Atermホームネットワークリンク」による遠隔管理などには対応していません。
付記:「eo-RT150(Z)」
2021年9月、ZTE Corporationの「eo-RT150(Z)」がWi-Fi Allianceの認証を通過しました。また、2021年10月には同名の機器がJATE(一般財団法人 電気通信端末機器審査協会)により電気通信事業法に基づく認証を受けたことが公表されています。従来のeo光多機能ルーターと同様の型番が付与されていることから、同社製品では初めてeo光向けに供給される機器ではないかと思われます。(過去のeo光多機能ルーターではeo-RT100においてNEC製の『eo-RT100(N1)』と住友電工製の『eo-RT100(S1)』が存在した他、Wi-Fi Allianceの認証情報でのみ確認できる富士通製の『eo-RT100(F1)』も供給が計画されていたようです)
本記事で取り上げたeo-RT150の仕様はNECプラットフォームズ製のeo-RT150(N)に関するものであり、今後仮にeo-RT150(Z)が供給された場合は一部の仕様が異なる可能性があります。
Product Finder Results | Wi-Fi Alliance(『eo-RT』の検索結果)
認定・認証機器一覧表 令和3年10月16日~令和3年10月31日 認証(JATE)
ZTEが国内の通信事業者へ供給している製品としては
- ZXHN F2886S
- 「コミュファ光」(中部テレコミュニケーション)向け
- 10G-EPON対応
- IEEE 802.11ax対応
- ZXHN F660P
- 「NURO 光」(ソニーネットワークコミュニケーションズ)向け
- GPON対応
- IEEE 802.11ax対応
- ZXHN F660A・F660T
- 「NURO 光」(ソニーネットワークコミュニケーションズ)向け
- GPON対応
- ZXHN H181A
- 「UCOM光 レジデンス」(つなぐネットコミュニケーションズ)向け
- G.fast / VDSL対応
- ZXHN H389A
- G.fast / 1000BASE-T対応
などが存在します。